こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、融資の最初のステップで受ける「保証協会付き融資」についてお伝えします。
今日のテーマは、「地元金融機関から融資を受ける保証協会付き融資の新たな動き」です。
平成30年4月1日から、信用保証制度が大幅に変更されました。民間金融機関に対する100%保証の一部取りやめです。
中小企業は信用力に乏しく、民間金融機関だけで資金繰りを円滑に進めることは困難なため、各地の信用保証協会が、事業者の民間金融機関の間に立ち、借入れに対する保証を行い、返済が滞った際には、債務支払いを実施(代位弁済)しています。
しかし、金融機関にとって、信用保証への過度な依存することで、リスクに対する関心が薄れ、自社の責任で事業性評価融資の実行やその後の期中管理・経営支援への動機が失われ、融資という本来業務の審査の重要性が薄れてきています。
また、中小企業にとっても信用保証は、資金繰りを支える重要な制度ですが、信用保証を多用することで、資金調達が容易になることから、結果的に、かえって経営改善への意欲が失われるといった副作用も指摘されています。
例えば、ある会社の業績が悪くなり、返済に滞り、立て直しのためにリスケを希望するが、民間金融機関の融資全額が保証協会付きであったため、責任を持って対応するメインバンクが実質不在であり、混乱した例などが金融庁の資料で紹介されています。
こうした副作用を抑制しつつ、中小企業の経営改善や生産性向上を一層進めていくために、民間金融機関の「100%保証付き融資」を抑制し、「信用保証協会と金融機関の連携」という形で、「プロパー融資(信用保証なしの融資)」と「信用保証付き融資」を適切に組み合わせ、信用保証協会と金融機関が柔軟にリスク分担することになりました。
今までの保証付き融資の場合は、全額、保証協会が負担している場合が多かったので、貸す側の金融機関も、「保証協会が認めるのだから」といって、保証協会がOKすれば、自動的に認可するということが少なくありませんでした。
金融機関の担当者は、取引先との関係構築を密に行う必要がなく、当該取引先の経営実態を把握しようとしていませんでした。また、借りる中小企業側も、金融機関に対しての積極的な情報提供や関係構築を重視していませんでした。
しかし、これからは、100%保証付き融資で資金調達を行うことは困難になってくるため、必要な資金は、金融機関プロパー融資を借りる必要があります。中小企業は、今までのような関係性では、必要な資金調達を行うことが難しくなってくるのです。
金融機関側もプロパー融資の割合を半期ごとのディスクロージャー誌で「見える化」する必要があるようです。
同時に中小企業側は、自社の実態を常にアピールして、情報を理解していただいて、自社のパートナーとして金融機関を位置づける本来の関係を構築する必要があります。
両者との関係が軌道に乗るには時間がかかるでしょうが、良い関係を構築できることを期待しています。うまくいかなければ、将来の融資の実現は難しくなるのでしょう。