こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今日のテーマは、「創業者のための制度融資 制度融資の仕組みと全体像」です。
今日は、東京都が出版している『令和元年度版 中小企業のための 融資の手引』を参照しながら、特に創業者の支援の欄だけを抜き出して、公的機関が実施している融資制度の仕組みと全体像を解説いたします。
今まで、日本公庫（国）の話をし、将来、地元の金融機関（民間）との取引を前提に、信用保証協会のことにも触れてきました。ここまで説明した上で、さらに、自治体が創業者を応援する制度として「制度融資」があることをお伝えします。
自治体が「制度融資」として出しているメニューは、「金利の補填」「保証金への補助」などです。金利の補填は、自治体側が「取扱指定金融機関」に預託を積んで、「制度融資」利用者の金利負担の軽減を図ります。また、「保証料」につきましては、保証料の一部を直接負担するなどしています。
また、その政策の「優先順位」などから、融資金利に優遇措置として基準金利に対してさらに下げるという特例対策を提示しています。例えば、「小口」「創業」特例は0.4％優遇、経営革新計画やBCPの策定、事業承継支援特例は0.2％優遇などとなっています。
全体像は、以下のような図になります。
殆どは、自分で事業のために「借入れ」をしたことある方はなく、ましてや、金融機関や地元の役所に相談して、「創業資金」入手のお手伝いをお願いしようなどと考えることはありません。「創業」を決意されて初めて分かることです。
そこで大切なことは、【創業支援特例】です。創業者を増やし応援するための優遇措置です。通常の金利に対し、さらに0.4%優遇した金利が適用されます。
その適用を受けられるのが、商工会議所や保証協会、東京都中小企業振興公社など、あるいは自治体の運営している例えば練馬区であれば「ネリサポ」のような創業塾、創業ビジネスセミナーの卒業生が対象です。（修了証明書が必要です）
そこで創業計画を策定し、中小企業診断士等のチェックを受けているとので、この適用が受けられるのです。しっかり、経営、財務、人材育成、販路開拓など、1年以内で4回以上の期間、セミナー等で勉強して「リスクが低い」方との判断と、東京都や特別区で応援できる方であるというお墨付きです。
自治体側は、ここで、ハードルを超える方を推薦するような形になっているのです。あくまでも、通常の保証協会付き融資に側面から「金利の補填」や「保証料の補助」などで、実質的な金利負担を軽減させ、創業時の負担を減らしてあげようとする特別区もありますので、その取組はまちまちです。
なお、ここで注意するべきことは、この仕組に関与する窓口が多いことです。また、保証協会も、自治体も役所ですので、稟議や処理に時間がかかることを理解しておいてください。