こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの独立起業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今日のテーマは、
「国の中小企業政策 令和2年度概算要求から読む全体像」です。
経済産業省に属する中小企業庁の令和2年度概算予算要求から、具体的にどんな施策が組まれ、どのような規模の予算の使うのかは以下のとおりです。
経済産業省は、現在の市場が今までの延長線上ではなく、デジタル経済が進展し、デジタル化・データ利活用によるビジネスモデルへの転換を急ぐとともに、デジタル技術の進展に合わせたルール整備して、世界に対応できるようにしたいと考えています。
また、世界政治経済の混乱の中、自由で公平な通商ルールの推進し、世界において、ルールベースで存在感を出したいと思っているようです。同時に、安全保障と一体となった経済強靱化政策についても触れており、経済安全保障政策の推進、投資管理・技術管理の最適化、さらには、その安全のためのセキュリティの強化を謳っています。
この新たな成長モデルの創出を支える基盤の整備として、「大変革を実現する人づくり」と「人口減少時代の地域・中小企業政策」すなわち、個別の会社の成長を徹底支援、地域の稼ぐ力強化、さらにはそれを実現できるよう研究者の魅力向上による研究力復興などをして、Society5.0 を実現する研究開発 を目指すとしています。
これを前提に、中小企業予算要求があります。中小企業向けの要求は1386億円(前年度 1117億円 前期比124.1%)です。予算が決定されたならば、以下のような施策が行われます。下線を引いた部分では、補助金等が用意され、その推進の後押しをしようとしています。
(1)「事業承継・再編・創業 等による新陳代謝の促進」(232億円 前年度当初 129億円)
①親族以外の第三者による事業承継の促進【創設】
②創業後間もない中小企業の更なる成長の促進【拡充】
③事業承継・世代交代集中支援事業【50億円(新規)】
④中小企業信用補完制度関連補助・出資事業【82億円(59億円)】
(2)「生産性向上・デジタル化・働き方改革」(424億円 前年度当初369億円)
①ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業 【70億円(50億円)】
②地方公共団体による小規模事業者支援推進事業 【20億円(10億円)】
③共創型サービスIT連携支援事業【20億円(新規)】
④AI人材連携による中小企業課題解決促進事業【15億円(新規)】
(3)「地域の稼ぐ力の強化・インバウンドの拡大」に重点的に取り組む。(297億円 前年度当初 286億円)
①地域未来投資促進事業【158億円(159億円)】
②JAPANブランド育成支援等事業【21億円(新規)】
③地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業【10億円(新規)】
(4)災害からの復旧・復興、強靱化
①中小企業等強靱化対策【独立行政法人中小企業基盤整備機構運営費交付金の内数】
(5)経営の下支え、事業環境の整備
多くの施策が創設され、新規に予算が付き、また、拡充されています。消費税対応だけでなく、ある意味で、国が今置かれた地政学的なリスクと、米中のトラブルが単に経済的、財政的な問題ではなく、安全保障の枠組みの中で、我が国のポジションをさらに危うくしていることから、急いで、金をバラ撒いてでも進めたいのです。
同時に、財政の健全化を図るためにも、金融円滑化法でゾンビのように生き残っている赤字企業ではなく、健全で伸び代のある中小企業の多く応援して、地域にそのような企業が成長発展し、国の強靭化に役立ってほしいのです。人口減少の中で、海外にも進出して「稼いできて欲しい」という予算です。