こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
未来投資会議とその傘下の構造改革推進会合等では、「成長戦略実行計画(令和元年6月)」を受けて、令和元年12月19日に、標記の「新たな成長戦略実行計画策定に関する中間報告」を発表しました。半年で新年度政策に向けて取りまとめたものです。
そして、この中間報告をタタキ台として、「与党の意見を聞きつつ、検討を深めていく」としています。その成果が、令和2年7月17日に発表された「成長戦略実行計画案」です。
中間報告は3章立てになっており、第1章は「はじめに」、第2章は「新たな分野への投資促進」、第3章は「個々のテーマ」という構成になっています。第1章は、6月の「成長戦略計画」の意気込みを評価し、その上で、この中間報告に向け部会で論議があり、取りまとめたとしています。
確かに、「第4次産業革命」会合では、PPP/PFIを、「企業関連制度・産業構造改革・イノベーション」会合では、イノベーション、規制、雇用・人材など、「健康・医療・介護」会合では、医療・介護を、「地域経済・インフラ」会合では、農林水産業、中小企業・観光・スポーツ・文化等やインフラ整備について協議されています。更に「デジタル技術の社会実装を踏まえた規制の精緻化」会合というのもあります。
しかし、令和元年6月の「成長戦略実行計画」までは、年度末に2回程度、説明と評価、次年度の課題を整理する程度の「会合」でした。
KPI(組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標を意味)を見ると、「エネルギー・環境関連以外の分野は進捗があまり良くない」ですし、特に「雇用制度や規制・生産性関連ではKPIの達成が大幅に遅れている」(『大和総研調査季報』 2020年新春号(Vol.37))との指摘もあります。
この中間報告では、第2章で「1.企業~内部資金の新たな分野への投資の促進~」と「2.人材~組織の中に閉じ込められ固定している人の解放」と、かなり挑戦的な目次を掲げています。
「企業」に対しては、上場企業の手許現金が膨れ上がっていて、そのお金で金融資産を抱えている状況を批判し、そのお金を「設備投資」に、「研究開発」になぜ出さないのだろうか、自分たちでできないなら、スタートアップのベンチャーに投資をするなりのリスクテイクをしないことを嘆いています。
また、バブル崩壊後、新規事業への取り組みが進んでおらず、新たな事業への挑戦や。その様なイノベーションを起こす大学等の研究開発機関への出資や技術開発の共同開発への姿勢がないと指摘しています。かつての日本の技術を維持できるのは、大企業の新たな挑戦が突破口を開くのでしょう。たしかに、中小のベンチャーだけでは難しいのも事実です。
「人」に関しては、「(1)フリーランスなど、雇用によらない働き方政策と、(2)若者異能の人材による先が見えない創造的な研究への支援」を打ち出しているが、正直、形が見えてこないと、「夢のような話」に聞こえます。
すでに、ノーベル賞受賞の多くの学者たちが警鐘を鳴らしていたのですが、基礎研究や創造的な研究には予算もつかず、研究機関では、人材を抱えることもできず、多くの博士たちが生活も成り立たず、呻吟していることを日本という国がどのように捉え、改善していくかです。
早晩、優秀な若者は、アメリカだけでなく、中国や東南アジアの国々に引き抜かれてしまうのかもしれません。ここで、もう一度、知恵を出して、お金を出してこの国と人々を明るく元気にできるようにしたいものです。
「人」を育て、新しい産業を創造していかなくてはなりません。それが、新しい日本の将来像の形に役立つのだと信じたいです。