こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、9月9日に開催された第27回産業構造審議会総会において、「令和3年度の経済産業政策の重点(案)」が発表されましたので、ご紹介をします。
政府は、コロナ禍を一つの区切りとして、大きく今までの方針を転換し始めたのかもしれません。従来の中小企業・小規模事業者への対応ではなく、優良な中小企業を中堅企業にする。優秀なフリーター等の保護をしながら、従来の仕組みから脱しきれない「古い小規模事業者」の切り捨てかもしれません。
コロナ禍直後の金融庁の動きは早く、融資に関しては、5月末までに制度は出来て、対応できる体制を作ったことは先週のブログで紹介しました。私は、その周到な準備の良さに驚くとともに、この結果、せっかく淘汰されようとしていた「ゾンビ企業」が生き残ってしまったと感じたものです。
しかし、政府は、その先の「生き残れる企業」と「そうでない企業」との「選別」をコロナ禍を理由に進めようとしているのです。今、経産省と、中小企業庁、金融庁で考えているのは、世界に伍して戦える生産性の高い企業の応援をして、日本を国際競争力のある国に再構築することです。
具体的には、
「コロナ禍を踏まえた予算等に関する 今後の中堅企業等支援の方向性」は、以下の3点です。
- 中堅企業等の事業再生、M&Aを含む事業承継の促進
- 若手人材のUIJターンの促進及び中堅企業等とのマッチング強化
- サプライチェーンの強靱化を含む、中堅企業等の新たなビジネス展開の支援
今後の対応方針としては、6項目
- 資本性劣後ローンや今年度中小機構・REVICに増強された原資を用いた出資等により、コロナ禍に応じた適切な支援を実施する。併せて、事業引継ぎ支援センターを中心とした関係機関(事業承継ネットワーク、地域金融機関 等)との間の協業・情報 連携強化や、金融機関の有する案件の早期共有を行うための仕組み等について検討を行う。
- 根本的な事業承継ニーズの発掘・慫慂に向け、事業承継に関する地銀のノウハウ向上や専門家等サポート人材の活用促進を図るとともに、予算・税制等により事業承継インセンティブを強化する。
- 大卒正社員の3割が3年以内に離職する状況の中、東京の若者(20~30代)にフォーカスしたUIJターンについて、具体的な ボトルネック(求人企業情報面、移転資金面、家族・暮らし面)に対し、各省連携して(地方)移転促進支援に取り組む。
- 都市部の若者の地方でのインターンについて、特に来年夏のインターン時期に向け、コロナ禍での取組も含めた情報分析を進めるとともに、自治体・大学・企業の三者への働きかけや場の設定を各省連携して行う。
- 企業からの相談の裾野を広げるべく、各省所管の国研(産総研、農研機構、土木研、JST)について、横連携で案件発掘を行うための体制を構築し実施する。また、国が特定するコロナ禍の研究課題や、中堅企業等地域発のニーズ・課題を起点にした研究開発の伴走支援を行う。
- 一国生産集中が進んでいたところ、コロナ禍でサプライチェーンリスクが顕在化したことを踏まえ、サプライチェーンの国内強靱化 に向けた拠点整備支援を行い、併せてIT設備も含めた先端的設備投資を促す。 また、海外展開のデジタル化のため、国内企業と海外バイヤー等とをつなぐオンラインプラットフォームや海外ECサイトと連携した ジャパンモールを整備し、各省も含め広く活用していく。
この際、生産性の問題を改善し、しっかりと税金を収める企業や生産者を応援し、デジタルによる世代交代を強制し、世界に出ていける農林水産業など、今までの常識を変えるような新たな挑戦をする業界を育てるためには、今までのテンポで、今までの既得権を守っている方々に退場を迫ってくるのかもしれません。