こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「菅総理の「成長戦略会議」」です。今日は、「「成長戦略の考え方」(アトキンソン理論)」です。
デービット・アトキンソン氏は、最初の会議から「日本経済成長戦略概略」とするシートを提示し、「生産性向上」は、「労働生産性」と「労働参加率」にあるとしています。
「労働生産性の向上」は、デジタル化、ベンチャー育成、中小企業の定義拡大(全業種500人・1億円資本規制廃止)、廃業等を防ぐM&A促進にあるとしています。また、「労働参加率」を上げるためは、観光戦略などの輸出戦略、金融政策の変更、政府支出の変更、そして、最低賃金のアップを政治によって決定アップするとしています。
アトキンソン氏の理論の元は、人口減少の中で、日本経済を再興させるためには、従来の中小企業政策を改め、非効率的な経営者を排除することです、例えば、法人税率の軽減、交際費の損金処理、外形標準課税の軽減及び法人事業税の減税、少額減価償却資産、繰越欠損金などの「保護」を受けることで、日本の会社は「大企業になりたくない」状態になり、小規模のまま非効率を選択しているとしています。
確かに、中小企業、特に小規模事業者の社長などと話をしていると、実質的には「税金を払わない」あるいは、使える補助金、助成金はもらうという姿勢です。
今回のコロナにおける「持続化給付金」「家賃等給付金」においても、バラマキを見過ごすことはなく、「キワドイ請求」もあったのではないでしょうか?
「労働参加率の向上」については、ここに来て「定年の延長」など、高齢者の労働市場への参加の継続と、女性の社会参加を後押ししてきたことから、世界的に見ても労働参加率は高いようですが、コロナの影響で、弱い立場の女性や学生、外国人などの就業者数が減っています。早めにこれらの環境を整備して行く必要があるとしています。
まずは、コロナの収束でしょうが、この報告書では「観光需要の換気などにより需要喚起をすすめることは、労働参加率の上昇に寄与する」と記載されており、強くアトキンソン氏のご意見を意識している。(菅総理の意見かも)
最低賃金の問題は、地方創生にも影響があり、このようなコロナの環境でも、「東京」を目指す人口が減らないのは、「最低賃金」の格差が原因であるとも語られています。
この「実行計画(案)」が12月1日付であり、2月には、経産省が出してきた補助金の制度等が動き出しますが、明らかに従来の目線とは違うように見えます。小規模事業者の大量消滅は既定路線なのかもしれません。コロナ融資の返済がスタートする時期には、金融庁の動きが改めて示されることで、5月以降には、我が国の中小企業政策の舵取りが見えてきそうです。