こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む
」です。今日は、「その4 最低賃金が低すぎるために生産性が低迷する」です。
アトキンソンさんは、「低すぎる最低賃金」は、究極の中小企業支援策とも言っています。昨日は、EUにも中小企業優遇策によって歪められていることを紹介しましたが、「生産性がイギリスやフランスよりも低いことの説明はまだ不十分」としています。
その最たるものとして、「最低賃金を低く抑える」ことを指摘しています。購買力調整をした上での最低賃金は、イギリスの90.4%、ドイツの83.8%、フランスの83.8%(アトキンソンさん試算 2018)と大きく見劣りしています。
日本人の若者のOECDのPISAテストは、世界の第3位でありEU諸国のそれに比べて、潜在的に優秀な人材がいるにも関わらず、安い賃金で働いているという実態を指摘しています。
PISAテストの1位はシンガポール、2位は香港です。この先、このまま放置しておけば、若者が世界に流出していくのかもしれません。
この最低賃金の視点から、イタリアやスペイン、ギリシャを見ると同様に最低賃金制度がないか非常に低く押さえられているとのことです。韓国はここ数年で30%も最低賃金を上げているようですが、日本の最低賃金を抜いてしまったようです。
他方、起業の点から言うと、低い賃金であるからこそ、この不況で解雇されたような経営者が生産性の低いビジネスを始められるのであって、最低賃金が高ければ、人を雇うことでのリスクの障壁が高くなり、起業しにくくなる効果があるとも解説しています。
これは、「日本の中小企業にとっては、実質的に巨大な補助金と言えます」と指摘していますが、この仮説を証明するには、「企業の雇用市場における交渉力」が「強く、寡占状態」であり、「monopsony」の力が働いているという前提が必要としています。