こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む」です。今日は、「その5 「monopsony」は日本でも起きている」です。
突然「monopsony」というしたない言葉が出てきましたので解説したかったのですが、ウキペディアで確認しましたが、難しくて解説できそうになかったのですが、「東洋経済デジタル」のサイトに、アトキンソンさんの連載があり、「monopsony」の解説がありましたので、転記して紹介します。
「労働市場において企業の交渉力が強く、労働者の交渉力が弱いため、企業が労働力を安く買い叩ける状態」を説明するために使われる言葉で、近年、ビッグデータを活用することで、さまざまな国のさまざまな業種で「モノプソニー」の力が働いていることが明らかになっている。
労働市場が完全競争ではなく、企業のほうが立場が強くなっているため、企業は本来払うべき給料より低い給料で人を雇うことができる状況を指します。つまり低賃金なのは一種の「搾取の結果」であり、必ずしもその人が低スキルだからではないと考えるのです。
「モノプソニー」の力は、特定の労働者層に特に強く働きます。例えば、低学歴、女性、高齢者、外国人労働者、移動が難しい人など、一般的に労働市場では弱者と考えられている人たちです。
特に、子どもを持った女性に「モノプソニー」の力が最も強く働いていることが、世界中の研究で確認されています。小さな子どもがいる女性は、現実として転職が難しい状況にあります。企業はその「足元を見る」ことができるため、賃金が相対的に低く抑えられるのです。
企業の規模が小さくなりやすいサービス業が発達し、全産業に占める製造業の割合が低下すると、労働組合加入率が低下して「モノプソニー」の力が強くなるとされており、そのとおりのことが現実の世界でも確認されています。
日本では「最低賃金を引き上げると失業者が増える」という、根強い妄信があります。これは労働市場が完全競争なら確かに正しいのですが、「モノプソニー」の力が働いていると、まったく逆のことが起きます。「モノプソニー」の下では、最低賃金を適切に引き上げることで、失業者はむしろ減らせるのです。
これは、さまざまな国で実際に確認されている事実です。
私のアンテナが低かっただけなのかもしれませんが、こうしたデービット・アトキンソンさんの考え方が、保守的な「東洋経済」でも一昨年から取り上げられ、今や、彼は、政府委員として中企業政策に大きな影響力を行使しています。同時に、これからの施策の中にどのように反映されていくのか考えなくてはなりません。
私の周辺の専門家の中で、今後、小規模事業者に厳しい状態がやってくる事を予感している方が多いようです。経営者は、事業や経理にしっかりと取り組んでいることが最低条件です。
融資に詳しい方は「今後の融資は社長が自分で資金繰り表を作成し、説明できるようにしよう」と呼びかけていますし、一昨日勉強させていただいた「補助金の専門家」は、「起業直後の会社の補助金申請はしない」「個人事業者の補助金申請は受け付けない」などと言っておられました。
「新しい中小企業像」が走り出しているのかもしれません。最先端の方々は、「新しい風」をしっかりと理解してるかのようでした。