こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む」です。今日は、「その7 コンサルティングを企業育成に投入する」です。
政府が、「中小企業の生産性向上」を謳っているのは皆さんご存知のとおりだと思いますが、今や『中小企業生産性革命事業』と呼ばれているのはご存知だろうか?
まさに、中小企業の革命をしていくためには、今のあらゆる「優遇策」を止めにして、大企業と同じ土俵で戦わなくてはならないことを自覚しなっくてはなりません。
以下の図は、中小機構の「中小企業生産性革命事業」のHPに貼り付けてあった図ですが、ここにあるように、消費税も、残業時間規制も、同一労働同一賃金も、社会保険の適用範囲も、さらに最低賃金も、「中小企業だから」という枠組みが、これからの5年程度で無くなっていくのはおわかりでしょうか?
この本では、2013年にオックスフォード大学の雑誌で紹介した論文を引き合いに出して説明してる。
「管理は重要ですか?インドからの証拠 Does Management Matter? Evidence from India」ニコラス・ブルーム、 ベン・アイフェルト、 アプラジットマハジャン、 デビッドマッケンジー、 ジョンロバーツ『経済学の季刊誌、第128巻、第1号、2013年2月』、1〜51ページ、https: //doi.org/10.1093/qje/qjs044
インドにおける中心的産業の繊維産業を題材に、「コンサルティング」の効果について評価したものです。17社という少ないデータですが、コンサルタント先の企業の平均的データは、「創業20年」「社員数 270名」「売上高 750万ドル」「全ては家族経営」です。
5ヶ月の継続的なコンサルティングを行い、比較グループ(49社)では、1ヶ月のコンサルティングと経営改善の提案を行ったようです。内容は、工場運用、品質管理、在庫管理、人材管理、売上と発注管理です。
実験の結果は、劇的なものであったようです。近代的経営手法の導入率は、25.6% ⇒ 63.4%に向上し、不老品は32%減少、在庫16.4%減少、生産量5.4%増加です。比較グループには一部経営手法の導入があったものの、成果には結びついていないという結果です。
これを受けて、日本でどうするのか?
先日、どの資料を拝見したか覚えていないのですが、この3月までに、「中小企業診断士」の運用について新たな施策を打ち出すようです。読んだときは「ふ~ん」という程度でしたが、この本に出会って、「これだ!」「中小企業の中堅化」をコンサルティングを強制することによって、大企業と、海外と競争できる「優良な企業」にする施策が用意されていることに気づきました。
いかがでしょうか?デービット・アトキンソンは、かなりの勢いで、わが国の政策に影響を与えているように思えます。