こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む」です。今日は、「その9 人口減少下で何をすべきか、厚生労働省の政策」です。
政府は、出生率を向上させるために、夫側の「男性産休」の義務化を制度化する方向だが、現在、5%強しか取得できていない制度を、「義務化することで、企業側が対応できるとは到底思えません。役所と大手企業がやっと対応する方向だと思われます。
デービット・アトキンソンは、厚生労働省の「働き方改革」にも言及しています。人口減によって、労働力が不足することから「①働き手を増やし、②出生率を上昇させ、③労働生産性を向上させる」方針を、「働き方改革」によって実現するとしているが、その「7つの具体的な取組」を、本当に問題の原因なのか、他の原因による結果なのか、それによっては、問題の解決はできないとしています。
その7つの取組みは、以下のとおりです。
- 非正規雇用の待遇改善
- 長時間労働の是正
- 柔軟な働き方ができる環境づくり
- ダイバーシティの推進
- 賃金引き上げと労働生産性の向上
- 再就職支援と人材育成
- ハラスメントの防止対策
これに取り組めば、少子高齢化がストップし、生産性が向上し、国が豊かであり続けられるのか?本当の原因は、産業構造にあるのではないか、と説いています。
圧倒的な中小企業の多さ、その8割が赤字であり、税金を払っていないことが理解できているのだろうか?その弱さを支えているのは正解ないのか?と聞いてきています。
少なくとも、厚生労働省の働き方改革を予定通り施行するならば、中小企業の多くから悲鳴が上がることでしょう。非正規雇用の低賃金なしではやっていけないでしょうし、長時間労働の是正は、ありえない話です。ましてや、副業をやる余裕の時間はありません。ダイバーシティどころか、おばさん、学生、外国人なしでは回らない業界もあるのです。賃金引き上げと労働生産性の向上など「わからない」経営者ばかりです。いかがでしょうか?
今回の「戦略会議」にも、デービッド・アトキンソンと一緒に入ったのは、日本商工会議所の三村会頭でした。まさに、商工会議所が中小零細企業お経営者の代表として、アトキンソンさんが主張する「最低賃金の継続的アップ」について反対しています。
これに対して、アトキンソンさんは、イギリスの例にもある様に、従来の中小企業の優遇策や支援策を見直して、「応援すべき企業」を応援し、小さいことが良いのではないことを強調しています。確かに、中小機構は、かつてのアメリカのSmall is Beautiful を引きずっているのかもしれません。(もう50年も前の1973年の言葉です)
今回のコロナ禍の「コロナ融資(無金利、無保証)」も、この3月で終わりになったのは、「優遇策には期限を設けるべき」とのアトキンソンさんの主張が通ったように見えます。無いもしないほうが、お金が転がり込んでいる?そんなことはもう止めにしなくてはなりません。同感です。