こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「成長戦略会議」とデービット・アトキンソン 『日本企業の勝算』を読む」です。今日は、「その10 中小企業の定義を変更する」です。最終回です。
昨日の厚生労働省のあるべき政策によれば、中小企業から悲鳴が上がると申し上げましたが、大企業よりも「猶予期間」を設けて実施するのだそうですが、はたして、中小企業の実態ではなかなかそうは行きません。
「力が不足しているから、面倒なことは税制免除して、公平な競争のためには優遇税制を、自分で輸出まで出来ないので輸出支援をする」中小企業は、随分優遇されているのです。
感情的にはよく分かります。アトキンソンさんは、「応援した気持ちはわかります。しかし、中小企業が不利なのは、間違いありませんが、なぜ不利なのかを忘れてはいけません」と釘を差しています。
結論は、「規模が小さいから」。だから、「最適な規模に成長するまで」助けること。従来の日本の政策も、世界各国の政策も多くは中小企業を、中小企業のまま生かしている政策でした。
このままでは、中小企業は、事業承継が出来ず、休廃業が多く発生することでしょう。この際、一部優秀な会社がM&Aによって、生き伸びることになるのでしょうか。100万社と言われる高齢化した経営者は、会社をたたむことになるのも仕方ないのかもしれません。
しかし、彼らの会社が前向きな経営者に引き取られ、規模を拡大し、新たな成長をすることが可能であるなら、現経営者の保証債務のことを含めて、「喜んで売却」することのできる道も必要です。
アトキンソンさんは、本当の原因は、何なのか。この中小企業ばかりの、支援ばかりを望む会社を増やしてしまった産業構造が、生産性の低さを生じさせ、いろいろな改善策を講じようとしても悪循環からはい出せずにいるのは、「中小企業政策の失敗」なのだと断じます。
すなわち、中小企業の規模を大きくしなくてはならないインセンティブを付ける必要があるとしているのです。
昨日確認した厚生労働省の「働き方改革」は、大企業でできるのであれば、皆、大企業で働きたいのは当たりませです。逆に、大企業になれば、その程度の生産性を確保し、働き方も大いに変えることができるのであれば、中小企業は統合して、どんどん大きくなれば良い。
「重要なことは中小企業という区分ではなく、小さい企業が中堅企業や大企業に成長すること」と結論づけています。
どうも、中小企業の立場から見ると、とても今までのルールとは違う「新しい政策提言」で、日本商工会議所を含めた多くの中小企業支援団体からは、地域経済や商店街を守るためには、小さな企業や、商店、飲食店が必要だという声が上がりそうです。
しかし、冷静になって、これから先の人口減少を持ちこたえるためには、何をすることで、日本の経済ガ立ち直っていくのか?どうすることで、将来の日本を、財政が大変厳しい中、高齢化を迎えると、一人ひとりのお年寄りを、若い人が支えきれなくなる現実を、共有して「中小企業政策の転換」を図って、生産性の高い、賃金の高い国に変身する必要があるのはわかった気がいたします。
これからも、アトキンソンさんの過去の本なども含めてフォローして、日本の中小企業政策の変化を理解したいと思います。何故なら、今、あらゆる中小企業施策が、「アトキンソン流」になってきている気がするからです。