こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「コロナ後の融資」に向き合う」です。今日は、「地域金融機関に求められていること」です。
この「コロナ融資」の期限の内訳は、「日本政策金融公庫が 1 年以内が 66%、民間金融機関が 1 年以内 56%」(Economic Trend 金融支援の将来不安 ~今から経営改善の準備を~ 第一生命経済研究所 2021.02.08 )とされています。
3月8日に「年度末の中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について」「要請」にもあったように、政府は中小事業者の「実情に応じた丁寧な対応や、条件変更等への柔軟な対応、事業再生を始めとする事業者支援を一層充実させること」をもとめています。
さらに、公庫等の政府系金融機関には、「貸出先の中小企業・小規模事業者等に対し、金融面からの支援に留まらず、コンサルティング機能を十分に発揮し、モニタリング等による状況把握や経営支援、財務アドバイスにより引き続き積極的に取り組んでいくこと」としています。
新たな補助金等に関しては、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業や早期経営改善計画策定支援事業、中小企業再生支援協議会等の施策を効果的に活用することを含め、中小企業・小規模事業者等の真の意味での経営改善や事業再生等を徹底的に支援していくこと」としていますが、本当に対応できるかが心配です。
さて、その地域金融機関ですが、まさに、上記の公庫等に求められる地域経済の中心であると思います。帝国データバンクの「全国メインバンク動向調査(2019 年)」によると、都市銀行のシェア は関東圏で 39.5%あり、近畿圏で 33.8%。すなわち大都市部ですら、 6 ~ 7 割の企業のメインバンクは地域金融機関 (地方銀行、信用金庫、信用組合)です。
しかし、地域金融機関にも、この政府の要望する「中小企業の伴走支援」に対応はできそうにありません。もちろん、地域金融機関の経営者以下、職員の方々は、「地域社会に貢献する」「地域企業の支援をする」ことを強く願っているのでしょうが、難しそうです。
規模の小さな中小企業、小規模事業者を支えていく、資本金1000万円以下の会社の面倒を見るのは地域金融機関です。しかし、その利益率の低さ、高齢化、事業承継の遅れなどを考えた時、また、それらの利益も税金も生み出さない小規模企業では、「伴走」コストに見合った利益を金融機関側に生み出すことが出来ないのです。
政府は、先月のデービッド・アトキンソンさんの案を受けて、「中小企業・地方金融機関の再興」をしようとしています。このままですと、多くの休業廃業を一挙に生み出し、一時的には、混乱が生まれるのではないでしょうか?
今の中小企業政策の「変更」をすすめることはやぶさかではありませんが、忘れてはいけないのは、地域の商工会議所・商工会を含めて、官民で、知恵を出して、議論をした上で、進めてほしものです。この部分もバラバラのまま、菅総理の独断に見えているのは残念です。