こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「コロナ後の金融行政の行方」です。今日は、「金融庁の銀行法等の一部を改正する法律案 その2 業務規制範囲の見直し」です。
今回の「銀行法等の一部を改正する法律案」の目指すところは、地域金融機関が、本業とその子会社等を通じて行ってきた事業を、従来の「厳格な」業務規制の枠を取り払って、子会社・兄弟会社の守備範囲を広げ、活躍してくださいという改正です。
当初の「見直し論議」は、金融審議会の「銀行制度等ワーキング・グループ」で議論がされています。その報告書名は、「銀行制度等ワーキング・グループ報告―経済を力強く支える金融機能の確立に向けて―」です。なかなかの意気込みです。
現行では、銀行などができる業務は、「他業リスクの排除」、「利益相反取引の防止」、「優越的地位の濫用の防止等」銀行の特異な立ち位置のために制限されています。 すなわち、銀行(本体)の業務範囲は、預金受入れ等の「固有業務」と債務保証等の「付随業務」等に限られていました。
また、銀行の子会社・兄弟会社と認められる会社は、「金融機関」、「従属業務会社」、「金融関連業務会社」、「投資専門会社」、「銀行業高度化等会社」などに限られていました。したがって、銀行等が新たなことをしようとすると、原則として金融庁等から認可が必要だったのです。今回は、これらの規制枠を撤去し、いろいろな事業に乗り出せるよう配慮したのです。
特に、今回のコロナ危機を乗り越えていくためには、金融機関にいる優秀な人材の活用や、仕組みを活用する方向で「コンサルテイング」「人材派遣」「デジタル関連」などが具体化せれていくものと思われます。
すなわち「デジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に向けて、銀行業高度化等会社においては、他業の認可は、原則、制限なし(銀行の創意工夫次第で幅広い業務を営むことが可能)となったのです。
また、従来は、「銀行等の議決権取得等規制(いわゆる5%ルール)」というのがありましたが、銀行とその子会社が、他の国内会社の議決権を 合算して5%を超えて取得・保有することを、原則、禁止するという規制がありました。(銀行法 16 条 の4第1項)。(銀行持株会社に対しては「いわゆる 15%ルール」)(銀行法 52 条の 24)。
これに対し、「銀行が、出資を通じて地域の「面的再生」などを幅広く支援することができるよう、非上場の地域活性化事業会社に対する議決権100%の出資を可能とする(現行50%上限 小堀)などの措置を講ずる。」としています。これで、ベンチャービジネス会社、事業再生会社、事業承継会社などの対応が変化してくるものと予想されます。
なお、「信用金庫・信用協同組合、保険会社などについても、それぞれの特性や制度に応じて同趣旨の改正を行う」ともしています。(外国子会社・外国兄弟会社の業務範囲については、別な機会にします)
さあ、地域の金融機関が、今までのまま、「生きながらえようとするのか」それとも「新しい事業構築」に向かってチャレンジするのかは、「金融機関の経営者」次第です。