こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「令和2年事務度金融行政方針の補足資料を読む」、今日は、「コラム8:ESGとサスティナブル・ファイナンス」です。
今週12日から「まん延防止重点措置」が東京都に出され1週間、危機的な状況が生まれつつあります。正直なところ、「政治の力に不満があります」。この国の政治家たちに奮起を求めます。お年寄りの発想では、危機を乗り越えられません。
コラムの番号が飛びましたがお許しください。
「ESG地域金融実践ガイド -ESG要素を考慮した事業性評価に基づく融資・本業支援のすすめ-(2020.04)」という文書があります。環境省が経産省や金融庁と一緒にまとめたものですが、ここにきて、金融庁は、ゼロエミッションのこともあり、かなり前向きの動きをしています。(「ESG」とは、企業の持続可能性を測る要素である環境・社会・企業統治を意味します。)
この4月には、「ESG 地域金融実践ガイド2.0」と改訂版と「支援実績集」が出て、主要な地方銀行がその将来性に期待を持って対応しているように見受けられます。地方銀行にとってSDG’sやESGのような言葉が身近なものとは思えません。しかし、課題は大きく、取り組まないわけにはいきません。金融庁も、地域に根ざした地方銀行での、前向きな取組みに期待しています。
「近年、投資家が企業における「ESG」への対応状況が企業価値に影響を及ぼすと考え、これを投資判断に織り込む機関投資家が世界的に増えている。そうした投資資金の残高も 2014 年の 18.2 兆ドルから、2018 年には 30.7 兆ドルへと、大きく増加しているとの推計もある。」などと、世界の新たな流れとなるものと金融庁は、予想しています。
「ESG」のうち、「E」である環境に関しては、日本においても民間主体の積極的な活動が展開されています。例えば、民間企業の任意の取組みとして TCFD 提言に沿った情報開示が進んでおり、2020 年 7 月 末時点で日本における TCFD 賛同機関数は292機関(うち金融76機関、非金融190 機関)となり、世界最多となっています。(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures, 気候関連財務情報開示タスクフォース)
また、企業向けに気候変動等への取組みに係る質問書を送付し、スコアリングを行っている英国の NGO である Carbon Disclosure Project によれば、同社の 2019 年気候変動 A リストに選定された企業 182 社のうち日本企業は 38 社であり、A リスト企業数で日本は世界一となった。
実はこのような音頭を環境省と共に金融庁の職員が行なっており、金融機関がこぞって参加しているのは、そのせいかもしれません。現在の気候変動を見ると、積極的に参加し、この分野でも「技術力」を発揮しなくてはならないと考える判断は、製造業のみならず、金融機関においても正しいと思います。
2021 年 11 月には、気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が開催されます。国際的な議論の動向等を踏まえ、中長期的な企業価値の向上に向けた企業と投資家間の動きを支援するとともに、気候変動リスクの管理等に関する課題等や、ESG に関する金融サービスを通じた付加価値創出への取組みについても金融庁は取り組んでいくようです。
国際的な少しとんだ解説をしましたが、これらのことはいずれ国内にも、地方にも波及してきます。かつて、環境で日本車が世界を凌駕したように、さらなる環境技術開発で世界に貢献するためには、日本の知恵と経験が、先行した気候変動リスクへの取り組みが、世界の平和と地方の豊かさに反映される時が来ると信じています。