こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「新しい中小企業施策「伴走型支援」を知る」今日は、「金融機関が事業を理解して貸し付ける包括的担保権」です。
コロナ後を見据え、金融庁は、新たに「企業と金融機関の関係」を構築することで、共に事業継続や発展ができるリレーションシップを模索していました。昨年8月の「平成2事務年度 金融行政方針」において以下のように指摘しています。
すなわち、今回のコロナでは、「平時の取り組みの真価が問われた」とし、金融機関は事業者との「緊密な関係を築き、事業実態を理解している必要がある」としています。
現在の融資制度のもとでは、個別資産である土地や工場等の有形資産だけが担保権対象となっており、ノウハウ 、顧客基盤等の無形資産が含まれていません。すなわち、事業の将来性は関係なく、担保権者である金融機関の安全が最優先なのです。
既存の制度は、かつて、製造業中心の工場があり、土地がありその資産の上に運営されている会社がある設定ですが、現在では、有形資産を持たない業態も増えていることから、金融機関側では、創業段階でも担保や保証を裏付けるものがなく困っているはずです。
さらに、企業の成長拡大期においても、担保となる不動産がなく、成長へ支援をするのか、裏付けのない成長のための融資ができなかったり、事業承継の際も、沢山の無形の資産があるのに、土地以外は評価されなかったりする状態ではないでしょうか?
しかし、これからは、「事業全体に対する包括的な担保権」も選択肢したいと言うのが、金融庁の意向です。「包括的な担保権」の対象には、無形資産も含む事業全体(ノウハウ 、顧客基盤等の無形資産も含まれ、事業の将来性を指します)です。
したがって、コロナのために従前の事業を維持できなくなるとき、「事業再構築」するために、あらゆる事業全体の価値を見直し、維持継承できる様にしなくてはなりません。なぜなら、不動産がなければ「事業再構築」を諦めなくてはならないからです。
以前でしたら、「もうこれ以上の担保不動産はありませんか?」「そうですか、それでは、追加融資はもう無理です」などといったやり取りがあって、結果として、市場から撤退していった企業が沢山あったのだと思われます。これからは新しい「包括的な担保権」が金融機関で当たり前になってきます。