こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「地域金融機関の使命」今日は、「地域金融機関のあるべき姿」です。
今週は、金融庁参与である森俊彦氏の最近の本『地域金融の未来-金融機関・経営者・認定支援機関による価値共創 ㈱中央経済社』(2020.11.20)を参考にしながら、今後の地域金融機関との付き合い方を考えています。
昨日は、「金融仲介機能のベンチマーク(2016.09)」に触れましたが、企業側から見て、「金融機関から受けたい「融資」と「サービス」と、具体的になにか」として、『企業アンケート調査結果』(金融庁 2019.11.08)の内容を紹介している。
「Q.過去1年間、取引金融機関からどのような「融資」を受けたいと思いましたか」という質問に対して、その企業区分(正常先上位、正常先下位、要注意先以下)に関わらず、約半数が「商品や原材料等の仕入れに係る運転資金」、約20%弱が「給与等の経費支払にかかる運転資金」と、その殆どが「運転資金」であることがわかっています。
設備投資等の長期の資金需要ももちろんあるのでしょうが、実は「資金は必要としなかった」とする企業も全回答の22%を占めています。
資金より必要としていた「取引金融機関から提案を受けたいサービス」とは、「取引先・販売先の紹介」であり、「人材育成・従業員福祉」「財務内容の改善支援」であると回答しています。決して「保険商品の紹介」でも「投資・運用商品」でもなく、「固定費の削減」や「海外展開支援」でもありませんでした。
すなわち、地域金融機関が、その本業である融資機能をして、中小企業の経営課題を解決する「運転資金」を融資することこそが適切な支援であることになります。長期の証書融資ではなく、短期の資金繰りに必要な資金を用意だてすることです。
また、金融機関として専門性を生かして支援できることに「財務内容の改善」があります。森俊彦先生は、「今月や来月の帳尻は計算できても、3ヶ月後、半年後のとなると難しい」「金融機関が中小企業の持続的な営業キャッシュフローの改善取り組んでいく上では、企業経営者と(“予測”)資金繰りの対話をすることで、経営者に気づきを与えることが、交渉相手ではなく“相談相手”へと強固な信頼関係を構築していくことに直結する」と結論づけています。
そして、「運転資金を経営者との対話と現場の実施調査に基づいて「正常運転資金」(将来キャッシュフローの“源”)と「その他」(不稼働在庫、回収が滞っている売掛金等)に切り分けることである。「正常運転資金」には、「専用当座貸越」を、「その他」には、長期証書貸付や業績連動型資本制ローンを充てる」ことを提案している。
この本の5-7は、「「専用当座貸越」は「伴奏支援型融資」の典型例-雨の予兆で傘を用意する」という表題となっています。