こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「緊急事態宣言の再延長による経済の行方」、今日は、「政府の支援事業の実績と行方は今後どのようになるのか」です。
今日は、東京商工リサーチの「データーを読む 2021/05/25」に掲載された「政府系金融機関によるゼロゼロ融資、申請期限を延長」を参考にお伝えします。
昨日のブログに書いたように経済産業省は5月25日、政府系金融機関による実質無担保・無利子融資の申請期限を2021年6月30日から2021年末に延長することを発表しています。
時限立法のため、6月に受付を終了予定でしたが、「緊急事態宣言などで状況が悪いことや日本政策金融公庫への相談件数が平時に比べ依然として多い」(経済産業省)ことから、当面2021年末まで継続することに決めたようです。(民間金融機関のゼロゼロ融資は3月末で受付終了済み)
今回のコロナ融資は、今までにない「ゼロゼロ融資(実質無担保・無利子融資)」は、新型コロナウイルス感染拡大による売上減少など一定の条件を満たせば、3年間の利子補給が受けられることから、事業者の資金繰りだけでなく、民間金融機関も目先の実績のために活用したものと見られます。
しかし、このコロナショックが終了した後、かつてのリーマンショック後の処理にやや10年かかっていたことを考えると、かなりの後遺症を抱えることになりそうです。政府が責任を持って、官民の金融機関の連携を含めていろいろな想定できるシナリオを考えて、その先の戦略を考えなくてはなりません。
ところで、財務省の広報誌「ファイナンス 2021 May」で、「財務省再生プロジェクト 部局横断的勉強会」において、第一勧業信用組合 会長 新田信行氏がゲストとして、次のように発言しています。
「個人的意見ですが、ゼロゼロ融資はすべきではなかったと思っています。未曾有の危機の中で、低金利融資・信用補完は必要でしたが、金融機関にわずかでもよいので信用リスクを負担させるべきでしたし、債務者にはわずかでもよいので金利を負担してもらうべきだったと思います。」
「本来必要のない資金を借りている例があり、資金に余裕がある人は運用資金に回しています。コスト負担の意識がなく、資金使途の検証がされず、融資規律が壊れました。」
「融資の多くは赤字補填になるため、通常であれば返済 計画を丁寧に審査する必要がありますが、今回は行われない例がほとんどでした。」「貸した後のフォローアップも不十分です。融資規律の 崩壊は中長期的にも大きな悪影響が生じるでしょう。」と苦言を呈しています。
私も、認定支援機関として「一時支援金」の「事業事前確認」をボランティアで34件実施しましたが、その中にも「持続化給付金」を簡単に得られたため、「チョロいもの」的な感覚で申請される方もいらっしゃいました。支給金や助成金漬けで、常識や、モラルが崩壊していったように見えました。とにかく、以下のようにバラまいたのですから。
これは、国民の血税の中から支払われたお金です。みんなが元気になって、税金を収め、国の財政規律を改善しない限り、財政破綻してしまいます。アベノミクスのつけを、コロナの費用負担を棚上げしていけば、将来の国民が、高齢者福祉とともに大きな負担に耐えられなくなります。