こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「緊急事態宣言の再延長による経済の行方」、今日は、「地域⾦融機関は「融資」から「再⽣」へ」です。
今日は、岡三証券のお客様資料「TODAY 2021/05/18」に掲載された岡三グローバル・リサーチ・センター理事⻑ エグゼクティブエコノミスト ⾼⽥ 創氏が出稿した「地域⾦融機関は「融資ファースト」から「再⽣ファースト」 ~コロナ7業種に向けたメイン⾏の矜持が問われる」を参考にお伝えします。
このレポートで、高田氏は、「2020年度、コロナショックによってもたらされた損失、 「出⾎」に対して、全国の⾦融機関は「融資ファースト」の 旗印のもと融資拡⼤で対応したが、」「2021年度は⾦融機関にとって新規融資業務以上に企業再⽣に取り組むことが中⼼のビジネスモデルになり、「融資ファースト」から「再⽣ファースト」への転換が必要」としています。
確かに、中小企業を中心として、昨年の5月からこの3月まで、地域金融機関は、コロナ融資をしてきましたが、当初は、与信については手つかずで、売上条件だけで、融資を実行してきたわけですが、高田氏は、これから「地域⾦融機関の潜在的な信⽤コスト増」の「影響が地域⾦融機関中⼼に⽣じやすい」と指摘しています。
コロナショックから1年が経過し、今後、「中⼩零細企業の対応をどこが担うかが重要になる。しかも、過去1年急に融資を伸ばしたのは従来のメイン⾏に限らず政策⾦融機関やメインではない⼆番⼿⾏以下であるケースも多い。」と従来の融資状況とは違うことを問題にしています。
つまり、「非常時」を理由に政府系金融機関が積極的に貸し出すとともに、「ゼロゼロ融資」は、金融機関にとっても、与信審査がゆるく、一定期間はリスクのない融資のため、前のめりで融資拡大をしたものと推測されます。
その結果、メインが実質無くなって、政府系金融機関であったり、メガバンクだったり、エリアに関係ない第二地銀であったりした場合、どこが再生を進めるのか?誰が取りまとめるのか?また、100%保証のコロナ融資が焦げ付いた場合、メイン行がいなかった場合、保証協会はどのような対応が可能か、実務的な対応に課題が山積みです。
政府系金融機関も、地域金融機関も、1年程度と見込んでいたコロナショックがながびいていることで、返済猶予期限が到来し、すぐにでも対応することが必要です。営業状態が返す事のできる状態に戻りきれていない企業が沢山発生してきているはずです。
高田氏は、「2021年4⽉23⽇に岡三証券が主催したセミナー、「地域経 済再⽣と地域⾦融機関の役割について」において⾦融庁監督局の⽇下智晴⽒は、コロナ危機に対応した地域銀⾏の矜持と してメイン⾏責任を準メイン⾏も負うとして事業再⽣に向けた地域銀⾏の責任を強く指摘されている。」と報告している。
「今回の環境は、地域銀⾏ を中⼼としたメイン⾏の矜持が問われるものであり、同時に、メイン⾏以外の⾦融機関も責任を持った関与の姿勢が問われるものとなる。」と断じています。誰も逃げてはならないのです。当然事業を行っている企業もここから「再生」「再構築」が必要なのです。
しかし、この低金利の中で、1%で1,000万円を借りていただいても、金利は年10万円です。このあがりで、どんなサービスとバックアップをせよ言うのでしょうか?
言っていることは正しいのですが、金融機関の職員の立場に立つと、とても複雑な思いです。こんなコロナ融資をバラまかせたのは政治家かもしれません。「後始末は、地域金融機関だ」というのは、やはり官僚の傲慢さに見えます。
同じ金融機関でも、「証券会社」の立場で考えると、「コロ ナ7業種の再⽣物件の出物がこれだけあるのは⾦融機関にとって絶好の機会ととらえる発想の転換も必要」と指摘しています。事業承継やM&Aも含めて、再編が進むものと考えられます。