こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「緊急事態宣言の再延長による経済の行方」、今日は、「東京オリンピック・パラリンピック中止の経済損失」です。
緊急事態宣言が再び延長され、日々かしましく報道されるのは、東京オリンピックをこの状態で開催できるかの議論です。
今日は、野村総研の「インサイト2021/05/25」に掲載された木内登英氏のコラム「東京オリンピック・パラリンピック中止の経済損失1兆8千億円、無観客開催では損失1,470億円」を参考にお伝えします。
最近、主催者である東京都の小池都知事は、開催については全く記者の質問に答えることはなく、菅総理は「安心安全の大会を開催する」と明言し、IOCは、「緊急事態宣言下であっても開催する」「中止はない」とのアナウンスを発しています。
木内氏は、3月の段階で、オリンピックでは、「海外からの観客100万人が日本で使う宿泊費、飲食費、交通費などの支出は、1,511億円」「これに海外客のチケットキャンセル分の450億円を加えると、経済損失の合計は1,961億円」(「インサイト2021/03/04」)としていました。
しかし、最新版の「インサイト2021/05/25」では、「海外観客は受け入れず、国内観客は制限なく受け入れる」場合、「経済効果の総額は1兆8,108億円となる。」としています。いずれにしても、大会が中止となれば、同額の経済損失が生じるのです。開催されても「無観客」の場合は、更に1,468億円の損失が上乗せされることになると試算されています。
更に、木内氏は、「大会を中止する場合の経済損失は1兆8,108億円と、必ずしも軽微とは言えないかもしれない。しかし、2020年度名目GDPと比べると0.33%の規模であり、景気の方向性を左右する程の規模ではない。」と断じています。
ましてや「国内観客の制限措置によって失われる経済効果、つまり経済損失がもたらす経済への影響は軽微と言える。2020年度名目GDPの規模と比べると、半数受け入れケースでは0.01%、4分の1受け入れケースでは0.02%、無観客のケースでも0.02%に過ぎない。」と分析しています。
さらに、木内氏は、「ちなみに、第1回目の緊急事態宣言による経済損失の筆者の推定値は約6.4兆円、第2回目は約6.3兆円、第3回目は現時点で実施が決まっているだけで約1.9兆円、この先延長が決まれば約3兆円などさらに増加する見通しである(コラム「延長・拡大を繰り返す緊急事態宣言に沖縄県が追加」、2021年5月21日)。大会を中止する場合の経済損失は、緊急事態宣言1回分によるものよりも小さいのである。」と、経済損失よりも感染リスクの観点で判断をするよう求めています。