こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
10月8日に、岸田総理の所信表明演説が終わりました。安倍、菅と続いた政権が、新たな政権に引き継がれたが、その政策の内容については、正直、多くの方がわからないままです。
そこで、先週は、「総裁選に使われた岸田政策」をご紹介しましたが、今週は、総理大臣になって発表した「所信表明」から、丁寧にその内容を伝え、問題点を確認しておきたいと思います。
岸田総理所信表明の最初の言葉は、「第205回国会の開会にあたり、新型コロナウイルスにより亡くなられた方々、そして、ご家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げるとともに、厳しい闘病生活を送っておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。」でした。
その後に、政策の内容に入る前に、「このたび、私は、第100代内閣総理大臣を拝命いたしました。」とした上で、岸田内閣の使命を、「今、求められているのは、こうした切実な声を踏まえて、政策を断行していくことです。」「国民に納得感を持ってもらえる丁寧な説明を行うこと、常に最悪の事態を想定して対応することを基本とします。」と説明しています。
まさに、ここまでの「国民の声に耳を傾けない」「国民には説明しない」「楽観的な見通し」で迷走した安倍・菅総理の成果に強く批判を向けていると感じました。本来であれば、ここで、コロナ対策の失敗を認め、自分の政権で改革することを表明すべきでした。
ところが、「その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。我が国の未来を切り拓くための新しい経済社会のビジョンを示していきます。」と自分の政策のキャッチフレーズを出し、けじめのない展開となりました。ある意味、矛盾したニュアンスとなりました。
「国民の声を真摯(しんし)に受け止め、かたちにする、信頼と共感を得られる政治が必要です。」「そのために、国民の皆さんとの丁寧な対話を大切にしていきます。」と、再び国民の声を聞くことを繰り返し強調しています。これは、「使命」ではなくこの内閣の基本的な「姿勢」を示したものだと思います。
「国民のニーズに合った行政を進めているか、徹底的に点検する」ことを経て、「多様性が尊重される社会を目指します。」として、「若者も、高齢者も、障害のある方も、ない方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる社会です。」とユニバーサルな姿勢を示すとともに、「経済的環境や世代、生まれた環境によって生じる格差やそれがもたらす分断。」「これが危機によって大きくなっている」と格差の実態が広がっている、深刻化しているとの認識を示しています。
岸田総理は、所信表明の「はじめ」の締めくくりとして、この危機の中で、「我々は、家族や仲間との絆の大切さに改めて気付きました。」「危機に直面した今こそ、この絆の力を発揮するときです。」「日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命です。」とまとめています。
さて、ここまでの内容は、「話を聞くこと」が得意とする岸田総理のソフトな姿勢を打ち出していますが、前政権の総括もしていません。前政権は、ここに示したように「国民の声を聞かない」政権だったのです。だからこそ、総選挙に向けて、党内の大勢が新たな顔を求め、岸田政権成立となったのです。
残念ながら、岸田政権は、自民党総裁選の中で、「議員票でできた政権」、「派閥の力で出来た政権」です。第2回目の決戦投票では、「自民党員の票」は、8票(岸田候補)対39票(河野候補)であったことを忘れてはいけません。
前回の菅政権発足が闇の中で、党員投票を避けて成立したよりは良かったのかもしれません。自民党の内部から、「総裁選のあり方」を改革する必要があるのかもしれません。