こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「デジタル田園都市国家構想実現会議が始まりました」と題して解説いたします。今日は、「岸田総理は40年前の理念とデジタルを融合できるか」です。
岸田首相は、総選挙で261議席を得て、11月10日には、第2次岸田政権を組閣し、翌11月11日に「デジタル田園都市国家構想実現会議」の第1回会合がスタートしました。今週は、新政権の政策の要となるであろう会議の位置づけなどを理解し、政府委員や民間委員の最初の問題提起等をご紹介します。
「デジタル」をとった「田園都市国家構想」と言う理念がかつてあったとのことですので、それに触れます。
昭和53年12月総理大臣となった大平正芳氏の「田園都市国家構想」がそれのようです。
岸田総理大臣の令和版所得倍増計画も、同郷の池田元総理の「所得倍増」ですし、この「田園都市国家構想」も、宏池会の中で湧き出た「大平政策、理念」から出てきたのかもしれません。
また、昨年、令和2年(2020年)6月11日に、自民党の政務調査会デジタル社会推進特別委員会が提言を取りまとめた「デジタル。ニッポン2020 ~コロナ時代のデジタル田園都市国家構想」もあります。委員長は平井卓也(初代デジタル大臣)、事務局長は、牧島かれん(第2代デジタル大臣)。平井元大臣は、大平氏の故郷である四国の出身で、宏池会でもあります。
ところで、宏池会は、「所得倍増」を打ち上げた池田元首相が創設した「ハト派」派閥です。岸田首相は宏池会第9代会長を2012年から務めています。大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一などの首相を輩出している派閥です。
大平首相の総理大臣就任後の施政方針演説では、「私は、都市の持つ高い生産性、良質な情報と、民族の苗代ともいうべき田園の持つ豊かな自然、潤いのある人間関係とを結合させ、健康でゆとりのある田園都市づくりの構想を進めてまいりたいと考えております。緑と自然に包まれ、安らぎに満ち、郷土愛とみずみずしい人間関係が脈打つ地域生活圏が全国的に展開され、大都市、地方都市、農山漁村のそれぞれの地域の自主性と個性を生かしつつ、均衡のとれた多彩な国土を形成しなければなりません。」とその考え方を示しています。
「歴代総理大臣の国土ビジョンを読む・その2 「田園都市国家の構想」(1980年)橋本武」によれば、「田園都市構想は、今後相当長期間にわたって、国づくり、社会づくりの道標となるべき理念で」、「田園都市構想は、地域の個性を生かして、…自治体の自主性を積極的に尊重する」「田園都市構想は、定住圏構想よりも、より広い理念的なもの…質的色彩のより濃いものである」と紹介されている。
残念ながら、当時は、縦割りの省庁の壁が分厚く、この構想による「計画、施策」は、その理念に沿ったものではなかったようです。橋本武氏が、構想の取りまとめの目次を称して「木に竹をついだような印象を受けるし、理念との落差の大きさに驚く」としています。
時代の中で、先見性があっても、その理念を具体化して、施策として実現してくことは、当時も今も難しいのですが、岸田首相には、先輩の「ブランド」や「チャッチコピー」を、利用するだけでなく、どのように実現していくのか。期待しています。