こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「「経済安全保障法制準備室」が設置されました」と題して解説いたします。今日は、「新国際秩序創造戦略本部 中間取りまとめ ~「経済財政運営と改革の基本方針2021」に向けた提言 (令和3 年5月27日) その3 」です。
自由民主党 政務調査会 新国際秩序創造戦略本部は、『 中間取りまとめ ~「経済財政運営と改革の基本方針2021」に向けた提言 ~』を政府に提言しています。この内容は、大きくは、「戦略的自律性の確保」に割かれ、その上で「戦略性不可欠性の維持・強化・獲得」と「技術の保全・育成」について書かれています。また、「経済安全保障体制の抜本的強化」にも触れ、「経済安全保障戦略の策定」を提言しています。
今日は(その3 )で、「技術の保全・育成」及び「経済安全保障体制の抜本的強化」を紹介します。どこからみても対中国包囲網の話のようです。
最初に「技術の保全」ですが、「研究インテグリティ・外国資金等の受入等」です。大学や研究者が中国の国際的な開発コンペに参加していたり、研究資金や海外渡航による指導などを行っていたりことを指しているものと思われます。
また、「技術情報の管理強化」では、国の主導する重要な研究開発に携わる民間人を規制するために「セキュリティクリアランス制度」を求めています。安全保障上の国際的あ輸出管理レジュームの強化や国内の人材が海外から来た人材に「情報提供」するようなこともあり、必要な措置を求めています。
特許制度に関しても、我が国の特許制度では必ず公開されていることから、これを利用して我が国の特許を利用している国もあったことから、安全保障上の観点から必要な技術に関しては、技術を特定して「特許非公開化」の仕組みを作るべきだと主張しています。
次に「技術の育成」ですが、諸外国が巨大な資金を投入して、先端技術の覇権争いをしている中、その流れに遅れないことを求め、「先端技術の強化・獲得と生産基盤の確保」を求めています。技術と生産を本国でと言う流れは少々近視眼的に見えますが、いかがでしょうか?
また、「半導体産業基盤の強化」は、国内製造を求め、「宇宙関連技術の強化」では、宇宙太陽光発電技術や小型衛星の研究開発の加速を主張し、「海洋関連技術の強化」では、レアアース泥、メタンハイドレード、海底熱水鉱床、石油・天然ガスなどの探査・生産技術を挙げてます。その先の北極海域に意欲を見せています。
更に、「経済安全保障体制の抜本的強化」では、「経済インテリジェンス能力・体制の強化」や「投資審査体制の強化」で、企業買収などを通じて海外からの投資に触れ、「土地等利用状況調査のための体制整備」では、その取引が重要施設う近郊であったり、水源であったりすることから、規制をするべきとの方向です。
これらの主張は、いずれもアメリカのそれを見ている気さえします。米中の派遣に対して、我が国のスタンスを決めるに当たり、かつてのような「経済大国」のポジションを取り戻そうとしてあがいているようにも見えます。
確かに、軽安全保障の強化は必要で、「スパイ天国」と呼ばれる日本の体制については、同盟国からも批判があり、技術情報が多く流出したあとである今、ヒステリックに今の規制強化だけでなく、将来、20年後、30年後の日本のあり方を含めて一度俯瞰した絵を描いてみて、目の前の驚異だけでなく、将来の驚異、将来の我が国の経済成長を確保してもらえるパートナーはどこにいるのかを考えて、行くべきなのだと思います。
今ある流れでは、冷戦時代に戻りそうです。ロシアと中国が一挙に南下して来るような紛争が起きないことを祈るばかりです。