こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、(令和4年度税制改正大綱を読む」と題して解説いたします。
毎年の税制改正は、8月末に財務省に各省の「税制改正要望」が集められ、9~10月に取りまとめが行われています。その後、与党の税制改正大綱がまとめられ、「最終的な改正案」として、大綱が発表されています。今年は、12月10日に発表されました。
今日は、「成長と分配の好循環の実現 その2」です。9項目のうち、残り5項目について解説します。
最初は、「住宅ローン控除の見直し」です。住宅ローン控除は4年間延長し、借入限度額の上乗せ措置を終了し、住宅性能の上乗せをするとしています。また、新築の優遇や床面積を所得によって40㎡にしたり、所得制限を引き下げたりするなどマイナーチェンジです。
次に「固定資産税等」については、「土地に係る固定資産税及び都市計画税の負担調整措置」を「激変緩和の観点から、令和4年度に限り」商業地の課税標準額の上昇幅を原稿の5%から、2.5%に抑えるとしています。
そして「中小・小規模事業者の支援」は、先に触れた賃上げ、教育訓練への費用の最大40%の所得控除を令和6年3月までとしたほか、中小企業の交際費課税の特例は2年間延長、事業承継に関する特例は、提出期限を令和6年3月まで延長するが、適用期限の令和9年12月末の延長はしないとしました。
中小M&A支援機関の登録をした立場では、この2年間で本当に国中の事業承継の必要な企業があっという間に動き出すとは思えませんが、いかがでしょうか?
その上で「経済と環境の好循環の実現」に触れていますが、残念ながら、中身は全くありません。SDGsやカーボンニュートラルもグリーン社会の実現も「取組は重要」「必要不可欠」「必要な負担も国民全体で分かち合う」「視点が重要」であることを留意するとして、なんの具体的な対応も改善も示していません。ちょっとひどい文章です。
車体税についても、先送り。農林水産部門への化学農薬・化学肥料の代替設備への税制措置を創ることが挙げられている程度です。何が「経済と環境の好循環の実現」に当たるのか説明してもらいたいものです。与党の姿勢に、岸田総理はどのように注文をつけるのでしょうか?
最後に、「その他考慮すべき課題」としてあげられているのは、「租税特別措置」については、「利用状況を踏まえつつ…必要性や政策効果をよく見極めた上で、廃止を含めてゼロベースで見直しを行う」としています。しかし、その例として示されたのか、「繰越欠損金の控除上限の特例」について、来年度税制改正で廃止を検討する年経のみです。
「成長と分配の好循環」と言ったのは岸田総理ですが、今までの経過の通り、税制改正は、岸田総理が生まれる前から検討されてきたのですから、作文で「成長と分配の好循環」を形式上、乗っけただけで、中身のないのは、仕方ないのかもしれませんが、岸田総理のリーダーシップが発揮されるのはいつからなのでしょうか。