こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「令和3年度経済産業省補正予算」のうち「中小企業向け予算の概要」です。今日は、「資金繰り支援」について解説します。
「資金繰り支援」は、微妙です。すでに、2月ですので、実質手遅れですが、日本政策金融公庫の「コロナ融資」、商工中金等の「危機対応型融資」は、年度末まで継続です。
また、保証枠に関しては、都道府県の要請を受けて、「売上高が20%以上減少した中小企業」には、「一般保証枠(2.8 億、80%保証)」とは別に、「セーフティネット保証4 号(2.8 億、100%保証)」の期限を延長するとされました。
資金繰り支援 【1,403 億円】の本体は、資本制ローンです。
この融資を受ける前に、民間金融機関が、その会社に対して協調して融資を実行することになることから、従来の公庫の融資とは違います。民間が「その先負債にならない」と認識した上で、公庫に申し込むことになります。共同責任なのです。
令和3年度補正予算の事業概要(PR資料)によると、以下の表のようになります。
また、「伴走支援」も同様で、「コロナ融資」のように、政府や自治体が金利を肩代わりしてくれ、保証も勝手にしてくれるのであれば、民間金融機関も少なくとも2~3年持ってくれる会社なら、ドンドン融資をしました。
しかし、今度は、一つ間違えると民間金融機関の経営や経営姿勢が問われることになります。日本銀行は、『金融システムレポート別冊シリーズ 2022年1月』で「コロナ禍における地域金融機関のバランスシート運営」を発表し、警鐘を鳴らしています。
地方銀行、信用金庫の負債が膨れ上がっており、「各種の助成⾦・給付⾦や⾦融機関からの借⼊⾦の滞留を背景に、法⼈・個⼈預⾦が50兆円程度増加」とともに日銀からの借入も40兆円多くなっています。
その預金を回すために「有価証券」が膨れ、その結果、「金利リスク」が急上昇していると観測しています。つまり、政府の資金が新たな事業や設備投資として、産業の復活や事業再構築による「好循環」ではなく、預金として残れば、結果的に表面は好業績だが、金融リスクが大きくなった歪な経営となってしまうのです。
したがって、地元の民間金融機関は、「厳しい選択」をして「資本制ローン」、「伴走支援型」の融資や支援をすることになります。つまり、選別が始まります。