こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「令和3年度経済産業省補正予算」のうち「中小企業向け予算」の概要について解説してきました。今日は、これ以外の「経産省予算の概要」として、「科学技術立国の実現」
「経済安全保障(半導体産業基盤緊急強化パッケージ)」などをご説明します。
すでに、昨日からロシアがウクライナに侵攻して、戦争が始まってしまいました。このような状況であるからこそ、日本の国は、自分の必要な役割を自覚するとともに、生き残れる国造りをしなくてはいけません。
その第一は、「科学技術立国の実現」です。
「国の産総研の地域センターや、特定分野で強みを持つ地域の中核大学のイノベーション創出機能を強化し、科学技術・イノベーションへの投資の強化 【346億円】する。地域に眠る技術を開花させるとしています。同時に、イノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援 【34億円】も計上しています。
次に「2050年カーボンニュートラルの実現に向けたクリーンエネルギー戦略」です。トヨタの宣伝ではないですが、「電気自動車・燃料電池自動車等の購入補助、充電インフラ・水素ステーションの整備支援を行う(375億円)。自動車電動化に伴う関連産業の業態転換を支援する」としています。具体的には、①自動車の電動化の推進 【1,375億円】、②蓄電池の国内製造基盤を確保する(1,000億円)です。
また、「再エネ有効活用に向けた系統用蓄電池等の導入を補助」「海底直流送電網の整備加速」「需要家主導型の太陽光発電設備の導入を促進」で、【315億円】を予算して、再生可能エネルギーの導入加速を考えているようですし、更に、「革新的な原子力イノベーションの推進 【20億円】」で、 軽水炉の安全性向上や、小型モジュール炉・高温ガス炉・高速炉・核融合の技術開発等も予算化されています
その第二は、経済安全保障(半導体産業基盤緊急強化パッケージ)です。
具体的には、先端半導体生産基盤整備基金 【6,170億円】(5G情報通信システムの構築に不可欠な先端半導体に係る生産基盤を整備)、半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業【470億円】です。広く国民生活や経済活動に影響が大きい「半導体(マイコン、パワー、アナログ等)を製造する設備の入替・増設等を補助する」としています。
また、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」では、 【1,100億円】予算化されており、ポスト5G情報通信システム、5G用半導体等の関連技術や、先端的なロジック半導体の製造技術等の開発を行うとしています。
これらの金額の大きさは眼を見張るもので、107兆円の国家予算がドンドン膨れ上がっています。業界が国にタムロして、予算の奪い合いが始まりそうです。
しかし、残念ながら、「安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化」については、鳴物入りの割には中身が薄いです。「新たな学び直し・キャリアパス促進事業 【9億円】」「学びと社会の連携促進事業(EdTech導入補助金)【20億円】」に過ぎません。
日本の企業も、個人も今の時代に追いついて活躍するためには、高等教育機関における学び直しや、大企業にしがみつく人材ではなく、中小企業・スタートアップへの兼業副業・転職等が可能となるようなチャレンジを歓迎し、支援する制度が必要です。
また、国も東京都も起業、創業を、あるいは大企業の新規事業、中小企業には事業再構築求めていますが、「起業失敗後の起業再チャレンジを支援する」仕組みを、創らなければ、チャレンジする人はなかなかハードルが高くて、尻込みしてしまうのかもしれません。
予算も実質審議は参議院に送られ、ウクライナ情勢もあって、そのまま成立するものと予想されます。世界中が、力で現状変更を許すことを傍観しているのでしょうか?「同じ民族だ」という言葉や、「かつて歴史上で同一の国家」などというプーチン大統領の言葉は、どこかで聞いたようなセリフばかりです。
身近に戦争が忍び寄っています。アメリカが強く関与しない限り、日本の周辺、あるいは日本も戦争に巻き込まれていくかもしれません。そこで行われるのは、人間の仕業として認めるわけに行かないことです。平和を守りたいものです。