こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「ロシアのウクライナ進行と日本経済、そして中小企業」と題して、今の国際問題を色々な識者が解説している内容を紹介します。今日は、「どうしてこんな事が起きるのか?!」という視点で考えてみます。
戦争が始まるまでは、多くのマスコミで専門家は、「ロシアの侵攻はない」というアナウンスをしていましたが、結果は、全く違いました。それも、東部の地区の国家承認で、2つの州を支配し、分割するなどと分析していましたが、それも違いました。ウクライナ全土を攻撃し始めたのです。
「溜池通信 vol.735 February 25th 2022 双日総合研究所 吉崎達彦」では、「24日のプーチン演説」のまとめを掲載しています。
https://www.sojitz-soken.com/jp/send/tameike/pdf/tame735.pdf
更にその概略を整理すると、以下のようになります。
「1980 年代末、ソ連はみずからの弱さゆえに自壊し…、その後、(アメリカは 小堀挿入)…ユーゴが…イラクが、リビアが、シリアが攻撃を受けてきた。…米国の介入は至るところに傷跡を残した。」と歴史的なアメリカの行動を非難しています。
また、「NATO を東方へ拡大しないという約束も破られた。…彼らは我々を破壊しようとしている。」「…彼らの能力は高く、経済的な脅威もある。」とその軍事的、経済的脅威について、一方で怯えているような表現をしています。他方で、「ロシアは有数の核保有国であり、これを攻撃する者は打ち破られるだろう。」と脅し文句を言っています。
かつてのソ連の時代にあった東欧の衛生国家がことごとく「「反ロシア」が形成され…、我々にとっては生死の問題だ。」と国境を接してNATO軍やアメリカ軍に対応することを拒否感を強く表明しています。その脅威を声高に言い募ることには矛盾があり、違和感があります。
参考のために2つの図を提示します(小堀)プーチンが根拠にしているのは、この絵が示す、「ロシア帝国⇒ソ連」の領土を言っている気がします。ポーランド、バルト三国、フィンランドを含む「大ロシア圏」ではないでしょうか。
「…2014 年にウクライナでクーデターを起こした勢力は、ドンバスで残虐行為を行ってきた。そして NATO は、ロシアに復帰したクリミアを許そうとしない。」「…キエフの政権によって、 8 年間も屈辱と虐殺に直面している人々を救わねばならない。」と、何が本当なのかわからないアジテートのような発言を繰り返しています。
また、「ウクライナの占領は計画していない。…ただ…ロシアを防衛しなければならない」として、「ウクライナ軍の諸君に告ぐ。任務を拒否して家に帰りたまえ」「ロシアの市民に告ぐ。…正義と真実は我々の側にあり、力と備えこそが独立と主権の基盤である。」しています。大ロシア帝国の裸の王様になってしまったのでしょうか?
しかし、このようなことができてしまうのは、プーチンが憲法を変え、これからもずっと大統領でい続けられる仕組みを作っていることです。また、対抗馬となるような野党が現れると「消してしまう」対応です。恐怖政治です。
また、この間、アメリカは、中国との対応に追われていて、バイデン大統領になってから、ロシアとの対応が疎かになっていた気もします。目の前のインフレや雇用、人種問題や気候変動で、ロシアが眼中になかったことから、ロシアとの会談でもロシア側の切実さを理解できていなかったのかもしれません。
ヨーロッパでも、内向き志向でイギリスがユーロから離れ、ドイツはメルケル首相からシュルツ首相に換わり、春になったら、フランスは大統領選挙です。フランスを始め多くヨーロッパの国々では右傾化、内向きになってきています。
トップが変わってきているのです。ロシアにとって重要なドイツの変化は、「弱腰」とのアナウンスを与えてしまったのかもしれません。ロシア側には、シュナイダー元ドイツ首相が資源会社の取締役でいるのですから簡単にはいかないでしょう。
今日(2/27)SWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除をアメリカのバイデン大統領が表明しました。その結果、300近いロシアの銀行が国際決済が不能となってしまいます。ここでも、ドイツが「全面的排除」ではなく、「部分的」排除を主張しています。
ドイツの言い分も当然だとは思いますが、いかがでしょうか?かつて日本も、第二次世界大戦に追い込まれたときに、同じように油を止められ、国際決済をできなくされたのは、アメリカでした。あまりに強力な対応であるからこそ、米ロ大国の矢継ぎ早の反応と、「感情的」やり取りに怖さを感じます。
さて、中国は、北朝鮮は、何を観察しているのでしょうか?北朝鮮は、このスキに、再びミサイルの発射をしています。
これは、他人事ではなく、目の前で、台湾が、韓国が、そして日本が突きつけられている課題でもあるのです。