こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「ウクライナ侵攻は、今後世界に何をもたらすのか?」と題して、今の国債問題を色々な識者が解説している内容を紹介します。今日は、「金融市場はどのようになっていくのか」です。
ロシア連邦は、大国です。国土は世界最大で、日本の45倍です。人口は1億4600万人で、BRICsの一員です。かつては、ソ連としてアメリカと対峙し、世界第2位の軍事大国ででもあります。
その経済力の元は、豊富な地下資源です。エネルギー分野では、天然ガスと石炭の埋蔵量は世界1位ですし、原油は第2位です。また、鉱物資源では、天然ダイヤモンドやパラジウムが第1位であることはよく知られていますが、他にもアルミやニッケルなどの主要鉱物だけでなく、プラチナ、金、銀などの貴金属がトップ3に入っています。
したがって、この戦争で欧米各国がロシアに経済制裁をすることで、多くの資源の取引を自ら拒否することになりますので、返り血を浴びることは明確です。日本も昨年からサハリンからの天然ガスの輸入が大幅に増えています。
しかし、原材料の価格ですので、国際決済しているルーブルのボリュームは決して大きいとは言えません。「新興国通過の基礎知識~ロシア」(国際通過研究所)2022.02.28 によると、「ドル/ロシアルーブルの 1 日当たりの取 引高は 630 億ドルであり、先進国通貨と比較すると取引高は少なく、全体の 1%のシェ ア(ドル/ブラジルレアルと同水準)となっています。」と報告しています。
この侵攻によって、ドル決済をしている国や企業の中では、個別には大変なこととは思いますが、経済制裁は、ロシアにとって深刻なものとなりそうです。
ロシアの金融機関の資産凍結やSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除、ロシア中央銀行の資産凍結を含むルーブル防衛ができなくなってしまう経済制裁です。
したがって、金融市場は思ったより冷静に見えていますが、ロシア国内はきっとかつての1991年のソ連崩壊によるハイパーインフレや、1998年のデフォルトを思い起こされる状況だとは思います。確かに、外貨準備高は、大きく増やしていますが、経済制裁によってそれらを活用できないまま、
プーチン大統領は、「クリミア併合以降、G8 からの追放・欧米制裁により西側との亀裂が広がっており、中国の「一 帯一路」政策と「大ユーラシア・イニシアチブ」の連携を加速させるなど、東方シフト・対中関係強化の動きがみられます。」(新興国通貨の基礎知識)一つ間違えると、中国の経済的支配を受けることになるのかもしれません。
追い込めば、「窮鼠猫をも噛む」ではありませんが、何が起こるかわからない今、混沌の中にいる実感がいたします。