こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「ウクライナ侵攻は、今後世界に何をもたらすのか?」と題して、今の国債問題を色々な識者が解説している内容を紹介します。今日は、「気候変動対応への影響」です。
日本総研の「Research Eye No.2021-074 2022年3月4日」に「ウクライナ・ロシア危機で懸念される気候変動対応への影響」と題して、大嶋英雄研究員の報告が出ています。
現状分析としては、「ロシアのウクライナ侵攻を受け、日米欧は、ハイテク製品の輸出制限や関係者・中銀の資産凍結、 主要行のSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除」等の金融制裁、「天然ガスのパイプラインであるノルドストリーム2の停止」「米英の大手石油会社によるサハリン1、サハリン2の天然ガス事業からの事業撤退等」が動き始めた。と分析しています。
日本は、イギリスもアメリカとは違い産油国ではなく、すぐにでも政治的判断はできないものと思われます。当然、参加している大手商社も、また、政府も決断するには、もう少し時間が必要なようです。
「ロシアは、原油、天然ガスのほか、パラジウム、プラチナ、ニッケル、アルミ等の金属、小麦等の 農産品の主要産出国。欧米の追加制裁やロシアの報復への懸念もあり、資源価格は高騰(図表2)。 」しているとしています。
脚注にあるように2021年末から比べて、先物商品価格がドンドン上がっているようです。
「今次制裁の早期解除は考えにくく、また、地政学リスクの払拭が難しいなかでは企業の対露ビジネス再開も困難。今後は、様々な品目 で供給不足が強まり、価格高騰が長期化する恐れ。 」と大嶋氏は分析しています。
同時に、気候変動問題に触れ、「資源価格の高騰は、…気候変動対応のモメンタムを削ぐ懸念」があり。「他国でも、エネルギー供給不安への対応で、安定供給が可能 な石炭等への回帰につながる可能性も」あるとしています。フランスでは、原子力発電に戻る方針のようですし、「ドイツは、 石炭利用延長を検討。また、パラジウム・ニッケル等の供給不安も、脱炭素投資の制約になる恐れ。 」があると指摘しています。
ロシアの2050年にに向けた「温暖化対策」が宙に浮き、このままでは、温暖化問題は、「ウクライナ危機」の前にしばらく棚上げ状態になりそうです。