こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「ウクライナ侵攻は、今後世界に何をもたらすのか?」と題して、今の国債問題を色々な識者が解説している内容を紹介します。今日は、「国内の原油対策の有効性」です。
NHKの3月4日の報道によると政府の原油高に関する対策案は、以下のようになりました。政府が決定した原油価格高騰の追加対策の詳細です。
①ガソリンや灯油などの小売り価格上昇を抑えるため石油元売り会社に出している補助金の上限を、現在の5円から25円に引き上げます。
②レギュラーガソリンの小売価格の全国平均が1リットル当たり170円を超えてから発動されます ⇒ 1リットル当たり172円を超えた時点で適用(3/10から)ガソリン197円程度までは店頭での価格が常に172円程度に抑えられる。(補助金を元売りに)
③運輸業界への支援も拡充
- タクシー会社 補助金の上限引き上げ(1リットル当たり5円から25円
- 離島運航航空会社 ジェット燃料の価格の上昇に相当する分を新たに補填
- 漁業者 重油などの燃料費の補填金を支給用基金財源98億円を積み増し
- 温室栽培の農家 価格高騰に対応できるよう積み立て基金の制度を拡充。
- 地方自治体を通じて、灯油購入の支援や暖房費の支援などを行います。
- 原油価格の上昇の影響を受けている中小企業の資金繰りを支援
これに対して、第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト 熊野英生氏は、「Economic Trend:2022 年 3 月 4 日(金)」において、「政府の原油対策はどこまで有効か? ~ウクライナ侵攻による家計負担増は年間 5.7~6.8 万円~」という論文を寄せています。
「2021 年の家計調査(2 人以上世帯)では、年間消費額は、ガソリン・灯油が 72,793 円で、電気代・ガス代が 179,582 円である。電気代・ガス代は、ガソリン・灯油の約 2.5 倍の 支出規模がある。こちらには、政府の価格補助の恩恵は行き渡らない。」としています。
「資源高などで仕入コストを価格転嫁しに くい中小企業にとっては、電気代・ガス代の負担増は、企業収益を圧迫する要因として無視できな い。 電気代とガス代の価格は、すでに著しく上昇 している(図表 2)。」として図表を提示しています。
「4 月までの料金改定で 8 か月連続の上昇で、その上昇幅は 20.1%である (ガス代は同期間 22.5%)。東京の標準的な電気料金は、2021 年平均と 4 月の料金を比べる と、やはり約 2 割上昇している。つまり、ウク ライナ侵攻による追加的な原油高騰がなかった としても、2022 年の年間での負担増加はかなり 大きいということになる。」
今回、確定申告書を作るにあたって、動力光熱費の昨年実績と並べて見る機会があり、その上昇ぶりにビックリしたばかりです。
「原油高騰によって、…仮に原油価格を 1 バレル=110 ドル、120 ドルと置くと、電気 代・ガス代の加重平均は、2021 年比でそれぞれ 24.5%、30.3%も上昇する計算になる。」と試算値を公表しています。
「この値 を使って、年間のエネルギー関連品目(電気 代、ガス代、ガソリン、灯油)の増加額を 計算すると、それぞれ+5.7 万円、+6.8 万 円になる(図表 3)。2021 年の家計消費額 (2 人以上世帯、334.8 万円)に対して、 1.7%と 2.0%にもなる。」
ガソリン等の「価格補助があったとしても、その 効果が及ばない電気代・ガス代の負担増が 大きく響くということだ。」と指摘している。さて、いかがでしょうか、大変ですね。ウクライナ侵攻が、私たちの生活を直撃するのはすぐあとです。それでも、帰る土地を失い、故郷を逃げ出してきたウクライナ人に、差別を超えて連帯する必要があります。
福島の方々のように、長い長い避難生活が続くのかもしれないのですから。世界で連帯し、助け合いましょう。