こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、金融庁がプログレスレポートの形で6月30日に公表された地域金融機関に対する「注文」を確認して、今後の地域における金融機関の在り方についての方向性が変化する様相であることをお伝えします。
今日からは、このレポートの表題でもある「禁輸仲介機能の拡がり」をいくつかのパートに分けてお伝えします。今日は、「その1 ポストコロナ見据える地域企業の期待」です。
現状認識として、「ポストコロナを見据える地域企業の期待~企業アンケート調査~」(2022年2月21日から同年3月25日までの調査。約1万社の中小規模企業等から回答)の中から、「新型コロナウイルス感染症の影響下における企業の資金繰り状況のほか、地域金融機関に期待される支援等を確認」したとしています。
ここでは、たくさんのグラフが多用されていますので、スマホでは見ずらいでしょうが、引用して紹介します。
まず、2019年以降2020年、2021年の飲食や宿泊などの業種では、自己資本比率を下げ、債務超過企業も極端に増えてしまいました。
コロナ優遇で、売上が下がる中、借入金を増やした結果、その比率は極端に増えています。この貸付による混乱の責任は、借りる側にも、貸す側にも、そして行政当局にもありそうです。
次に地域金融機関との、特にメインバンクとの関係についてです。
見にくいので、主要な項目を書き起こします。「今後金融機関から受けたいサービス」は、「取引先・販売先の紹介」「各種支援制度の紹介や申請の支援」、また、手数料を支払ってもよいと考えるサービスは、「経営人材の紹介」「業務の効率化に関する支援」などとなっています。すなわち、いわゆる金融支援ではなく、「専門家による外からの支援」や「大企業等の経験者の紹介」などが必要となっているのです。
少なくとも、メインバンクに対する対応は企業側は、色々なアンケート結果では評価されているのですが、地域金融機関側は、本業では利益を上げていないのが実態です。
また、リーマンショック以降、貸出金利も国債の金利も下がりっぱなしで、大変厳しい環境が続いているのです。
しかし、このアンケートでは、違う数字もあるようです。日本の中小企業が減り続けているのに、無借金経営の会社が増えているのに、貸出先が増えている。これは何を意味するのでしょうか?
結果的に、支店の渉外担当者の手持ちの企業数が増えて、そのコミュニケーションがとりにくくなっていることを指摘しています。
これは、「無金利」「無保証」の資金にどの企業も「安全」のために手を上げ、かつ。どの金融機関(メガバンクも含め)も、100%保証がある「コロナ融資」はある意味でノンリスク商品でしたので、積極的に取り組んだためあると思います。これを生じさせた本当の原因を考えると、結果はわかりますが、政策が金融機関をミスリードしていたということになるかもしれません。