こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、オミクロン株の話から、今後問題となるだろう「ゾンビ企業」を取り上げています。
今日は、月曜日の東京商工リサーチの問題提起、火曜日のRIETI(独立行政法人 経済産業研究所)の分析に続いて、日本総研 調査部 主任研究員 谷口栄治の政策提言レポートを紹介します。
これから起きるだろう「日本のゾンビ企業」の淘汰と新たな時代への対応は、日本経済、産業界全体で受け止め、日本の再興をしていかなくてはならないと思います。
まず、谷口氏は、「2021年度の中小企業の業績は、経常利益が前年度比+22%増と…2019年度の水準を超過」と指摘し、一部の生活衛生関連事では「コロナ 影響が残存」しているとしています。
最初に、「コロナ禍3年目の中小企業の現在地」として、「感染拡大から2年経過し、企業の景況感は徐々に回復傾向にあるものの、中小企業セクターでは回復に遅れがみられるなか、過剰債務など、財務状況に対する懸念が残存」としましたまた、「経営環境をみれば、コロナ影響に加え、資源価格の高騰や円安の進行など、新たなリスクも台頭」と指摘しています。
損益状況では、「2021年度の企業業績は、中小企業(注)の経常利益が前年比+22%、大企業で同+38%と回復基調。…2019年度の水準を超過」また、中小企業、大・中堅企業ともに、売上高(粗利益)の増加が利益改善に大きく寄与」と指摘し、「コロナ影響を払拭した格好」と評価しています
しかし、業種別に開きがあり、製造業では上記のとおりですが、宿泊・飲食、生活関連・娯楽に関係する業種では、「各種給付金等により営業外利益が増加したことで、全体として経常黒字に転換」と分析しています。
現在(2022年8月3日)においても、新型コロナのオミクロン株BA.5が急激広まり、夏休みに入って活況を取り戻しつつあった宿泊・飲食、生活関連業界は、再び厳しい状況になりつつあります。特に今回は政府の号令はありませんので、給付金等の支給はないのですから。
さて、元に戻りましょう。谷口氏は、中小企業向けの貸出は再び増え始めているグラフを提示するとともに、業種別では、宿泊・飲食業が突出して増加していることを指摘しています。
「売り上げ減少による影響が大きくなっている状況」で、債務償還期間についても「キャッシュフロー減少による影響を主因に3年近く長期化」しているとしています。
また、資金繰りでは、ネット有利子負債の減少もあって、資金繰り阪大DIは、「が引き続きマイナス圏内にあるものの、水準 としては改善の兆し」と判断しています。
これらの分析を踏まえて、谷口氏は、「今後の課題」として、「政策対応にあたっては、財政規律にも配慮し、過大な対策とならないようメリハリ」…「対人関連サービス業に対するサポートが求められる」さらに「企業倒産増加への備え、資源価格の高騰等新たなリスクへの対応、債務問題への対処」が必要になるとしています。
そして「あるべき政策対応 ~ 今後の政策支援のあり方」として、財政審議会の指摘を上げて、従来の財政支援策に再考を求めています。
これから「実質無利子・無担保融資(いわゆる「ゼロゼロ融資」)の元本返済が本格化することが見込まれ」…、「日本銀行は中小企業全体のデフォルト率が、対人関連サービス業を中心に上昇するとの見方」をしていると指摘し、「今後一定程度の倒産増は回避できず」と結論付けています。