こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、オミクロン株の話から、今後問題となるだろう「ゾンビ企業」を取り上げてきました。今日は、2022.07.25に日経ウエブで発表された「米国で増殖「ゾンビ企業」、迫る淘汰 低利資金が蒸発」です。
ここ一年は中国問題が何度も話題に上っていました。すなわち、今まで問題とされてこなかった国有企業のデフォルトがあり、恒大企業集団をはじめとした巨大不動産会社の債務不履行があったからです。さらに河南銀行をはじめとした地方政府の息がかかった金融機関の混乱です。
いずれも、コロナの影響があるのかもしれません。
2021年9月には、米ブルームバーグ通信が「債務支払い不能な「ゾンビ」企業が増加、不動産筆頭」と報じています。
コンサルティング会社カーニーの調査では、世界の6万7000社のうち、不動産会社の7.4%、ヘルスケアの5.9%、通信・メディアの5.5%、旅行関連の5.1%、が「ゾンビ」状態であるとのことです。
日経は、今回のFRBの利上げを受けて、「米国で過剰な債務を抱える企業に再編・淘汰の波が迫っている。支払利息を営業利益で賄えない「ゾンビ企業」は、時価総額上位3000社の2割を超える。…インフレと利上げ加速で環境は一変した。」としたうえで、「財務面で脆弱な企業を抱えたままの金融引き締めは信用不安の連鎖を招き、米景気や雇用にも響きかねない。」と分析しています。
また、かつて「日本は1990年代初めのバブル崩壊で「失われた10年」と呼ばれる長期停滞を経験した。経営再建の見込みが小さい企業を存続させたことが、景気回復が遅れた一因とされる。米国でもゾンビ企業の淘汰が先送りされれば、「日本化」のリスクは高まり、米株投資家は高いリターンを見込みにくくなる。」と深刻な状況を報告しています。
すなわち、「ゾンビ延命は米経済の重荷にほかならない」としたうえで、2020年に国際決済銀行(BIS)でも「ゾンビ企業研究」を発表しており、「生産性は低く、有形・無形資産への投資は少なかった。最終的に25%が淘汰された。60%は財務健全化を果たしたが、ゾンビ状態に逆戻りする可能性は高い」との報告を紹介しています。
日本を除く先進国の利上げが始まっていて、いずれの国や共同体は、コロナとインフレ、そして戦争に必死になって対応しようとしています。本来ならば、互いに協力しながら、パンデミックで弱った地球を総力で立て直し、世界中で起きている異常気象の原因撮れる地球温暖化の対策に知恵を出さなくてはならない時です。
しかし、今起きていることは、我がことばかりを主張する国々の政治家が、世界や地球のことを忘れ、自らの政治的な野望と「レガシー」のために混乱を広げているように見えます。
ゾンビ企業がなくなることが確かに「経済成長」に向かうのかもしれません。そのゾンビ企業にも人がいて暮らしがあります。時代が変わり、経済を支える構造が変わるのですから、事業の内容も人の働き方も、職種もどんどん変わっていくことでしょう。
しかし、そこに、「ゾンビ企業」とレッテルを張るのではなく、一緒にこの時代を乗り越えていく意思を共有して、時代と共に変化を受け入れ、教育をして新しい人生を、会社作りをしていってほしいものです。