こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、オペックプラスになった産油国が原油価格を維持していくために、ロシアが始めた「ウクライナ戦争」を利用しているのではないかと思ったので、少し頭の中を整理してみました。したがって、テーマは、「ウクライナ戦争はロシアが仕掛けた「石油戦争」?」です。
また、本日は、原油価格の変遷を長短で確認し、石油価格の変動と戦争の因果関係を探索します。
今週は、夏休みまで3日間(8月8日、9日、10日)のブログです。8月11日から16日までは休刊とします。第33週は8月17日から再開します。
さて、ウクライナに戦争を仕掛けたプーチン大統領の動きを見て、同じように石油価格と戦争との関係をした論文があります。日本エネルギー経済研究所 石油情報センターの橋爪 吉博氏が「国際環境経済研究所 2022.07.26」のWEBに寄稿した「ウクライナ情勢と原油価格、そして、脱炭素(前編)原油価格高騰の真の理由」です。
最近の動向では、「新型コロナの世界的な感染拡大による経済活動の停滞で、石油需要が減少、さらに、…「OPECプラス」の減産協議の一時決裂もあり、2020年4月20日、WTI原油先物価格は、前代未聞のマイナス37ドルを記録…、2020年下期以降、2021年を通じて、感染再拡大の時期の一時的な低下・停滞はあったものの、原油価格は順調に回復、上昇基調をたどった。」と説明するグラフは以下の通りです。
それでは長期スパンで見てみたらどうでしょう。以下の図はオイルショック以前からの原油価格の推移です。これを見る限り、第二次オイルショックで多少上がった原油価格も、1986年以降、2001年9月の同時多発テロまでは低迷を続けていました。
その後イラク戦争が勃発してから、一貫して原油価格は上昇を続け、20ドル/バレルだった価格は、リーマンショック直前には130ドル/バレルを超える水準に達していました。
しかし、リーマンショックの回復と共に100ドル/バレルを超える水準だった価格が、アメリカのシェールオイルによる採掘を進め、急激にその価格を再び50~60ドル/バレルにしてしまい、OPECのメンバーが苦しんでいる中で、今回の「コロナショック」で、生産が急降下すると同時に石油の需要も減り、2020年4月20日には、先物がマイナス価格をつける状態になってしまいました。
したがって、この状況の中、アメリカ+サウジアラビアではなく、OPECプラスで、サウジアラビアとロシアとの関係が近づいたとみるべきではないでしょうか。ウクライナ侵攻以降のサウジアラビアの国連等での対応や、首脳外交でのサウジアラビアの立ち位置を見ると、明らかにアメリカとの関係を避け始めているのが見て取れます。
まさに、この原油価格は、OPECプラスの第2の産油国であるロシアの国家収入に直結しています。サウジアラビアとロシアの利害は一致し、アメリカの立場とは違うことが明確になります。
そして、イラク戦争のあと、イラクをシーア派の勢力下に収められ、イランの影響下に置かれたことは、スンニ派の首領であるサウジアラビアには許せないことでしょうし、その原因をアメリカとすることも容易に推測できます。