こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、先週の、「コロナ、ウクライナ戦争、エネルギー不足、物価高、そして景気後退?」を受けて、実態として「消費者物価が上昇」していることを受けて、識者はどのように分析しているのかを、いくつかのレポートを取り上げて紹介いたします。
今日は、野村総研の木内氏の「日本の物価上昇率のピークは海外に遅れる:物価上昇の家計圧迫は続く(7月消費者物価)」を取り上げます。
19日に発表された「7月分消費者物価統計」では、「コアCPI(生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比+2.4%と前月の同+2.2%から0.2%ポイント上昇幅を拡大…。上昇率は4か月連続で日本銀行の物価目標+2.0%を上回った。7月は、…いわゆるコアコアCPIは季節調整値で前月比+0.5%と大幅に上昇」と指摘し、「物価上昇圧力は、エネルギー、食料関連以外にも広がりを見せている。」と分析しています。
今後、「10月のコアCPIの前年比+3%を超える…+3.3%」と予測し、「2022年度平均は+2.8%程度と予想する。他方、年明け以降は、物価上昇率は明確な低下傾向で推移することが予想される。」との見通しを示しています。
他方で「米国ではコアCPI(除く食料、エネルギー)の前年比は、3月にピークを付けた。…特に最新7月分はガソリン価格下落の影響から、前年比上昇率が大きく下落…。海外では物価高騰が最悪期を超えたとの見方が徐々に広がっており、これが消費者心理にも好影響を与え始めている。」としています。
「日本の消費者物価」は、「燃料費調整制度、小麦の政府受け渡し制度…価格が消費者物価に反映されるまでに、平均で半年程度の時間を要する…。日本で消費者物価上昇率にピーク感が広がるのは年明けと、海外と比べて半年程度は遅れそうだ。」と海外との違いを指摘し、結果的に消費者が動き出すことを、抑制しているとの分析をしています。
「エンゲル係数は2015年頃から上昇傾向で推移してきた。」と指摘したうえで、「実質賃金の低迷など、所得環境の厳しさが背景」と分析しています。さらに、「海外での食料価格高騰などの影響で2021年にエンゲル係数は急速に高まり、現在は28%程度の水準にある」として、下記のグラフを提示しています。
このグラフでは、エンゲル係数と比較する形で「食費と共に必需性が高く、生活していくうえで欠かせない光熱費」を加えた(食費+光熱費)支出が消費全体に占める比率を示して、「同様の傾向が見られる。」としています。
なお、次のグラフでは、「必需性が高い食費、光熱費であっても、何とかそれらを節約し、切り詰める行動を消費者がしている」として、2020年は、急激に上昇する光熱費に対して、呼応するように実質食費が下がり、2021年その大幅な下げによって、実質食費は持ち直しています。
しかし、「食料、エネルギー価格の上昇は、低所得者層を中心にそのように厳しい対応を強いているのである。そうした状況は海外に遅れて年明け頃まで、日本では解消されそうにない。」と政策による物価抑制が消費者心理を回復させないこと共に、長期間続く低所得者への厳しい現実を指摘しています。