こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「世界経済」と「日本経済」を考えます。米国の金利上昇で米国景気がどうなるのか、中国では、ゼロコロナ政策と不動産不況が経済を減速させています。これらを識者はどのように分析しているのでしょうか?今週は、大和総研のいくつかのレポートを取り上げて紹介いたします。
今日は、「米国の景気後退リスク」について、「大和総研レポート 日本 2022 年 8 月 23 日」「日本経済のリスクシナリオ―米国景気後退入り/中国再ロックダウンの影響を検証-経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦 研究員 永井 寛之」の報告をご紹介します。
[要約] の部分で、「全米経済研究所(NBER)の基準に照らせば、現状、米国は景気後退に陥っているとは言い難い。また、当社のメインシナリオでは米国の景気後退入りは回避されると見込んでいる。しかし、FRB がインフレ抑制を優先し、金融引き締めを継続すれば、2023 年前半にも景気後退に陥る可能性が高まるだろう。」としています。
26日のパウエル議長の講演によって、市場は敏感に反応しています。大和総研は、「米国経済の循環的な動きを捉える上では、個人消費、…雇用・所得環境の動向が最も重要」としたうえで、「米国経済が今後、本格的な景気後退に陥るか否かは、現状底堅く推移する労働市場、および個人消費の動向次第」と断じています。
また、「目下の米国経済にとって厄介なのは、こうした個人消費を下支えする労働市場の堅調さ が、連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを継続、強化する理由になり得ることである。…名目賃金上昇は、物価上昇による購買力の低下を緩和する一面があるのと同時に、高いインフレ率の一因となりつつある。」とも見ています。
すなわち、「賃金と物価のスパイラル的な上昇が続くリスクが高まる中、FRB がインフレの抑制を優先して、労働市場の悪化を黙認すれば、米国経済の景気後退は一気に現実味を増すことになる。」と警告しています。
「足元のインフレ率がおよそ 40 年ぶりと歴史的に高い伸びを記録している」ことから、市場は2023年には、景気後退のリスクがあることから、FRBは利下げに転じるであろうと予想し、大和総研も同様のスタンスでしたが、今回のジャクソンホールにおけるパウエル議長の発言が「タカ派的」であったことから、次のシナリオとなるようです。
「FRBがインフレの抑制を重視する姿勢を貫けば、金利は高止まりし、それに遅れる形で企業景況感も悪化が続いていくことになろう。…景況感の悪化に合わせて雇用者数が減少に転じることで、米国経済の屋台骨である個人消費も悪化へ向かうと考えられる。」と分析しています。
すでに市場では、「2022 年に入って急速に利上げ期待が高まったことで、2 年債利回りは急激に上昇しているため、…2023 年前半にも米国は景気後退に陥る可能性が示唆される。」としており、これが市場の大暴落を呼んでいるのかもしれません。
「インフレ率が FRB の目標である 2%まで低下するために、深い景気後退を余儀なくされることが示唆される。」とも論じています。
「ボルカー時代(1979年8月~)と同じように、インフレ抑制のために大幅な景気悪化が必要となる可能性は、現時点では必ずしも高くないと思われ、あくまでテールリスクという位置づけであろう。」(下線 小堀)
「だが一方で、足元では感染拡大による供給制約や、ウクライナ問題を契機とした資源価格の高騰など、複合的な要因が高インフレの原因となっており、その動向次第で、期待インフレ率が上振れするリスクについては注意深く見ていく必要がある。」と結んでいます。
米国の景気がコロナ後を引っ張っていく状況の中で、「日本経済」の再興も見込まれているわけで、これからのFRBの動向、そして日銀の頑固なまでの姿勢をしっかりと見ながら、これから起きることを理解し、対応していきたいとおっもいます。