こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
今週は、「世界経済」と「日本経済」を考えます。米国の金利上昇で米国景気がどうなるのか、中国では、ゼロコロナ政策と不動産不況が経済を減速させています。これらを識者はどのように分析しているのでしょうか?今週は、大和総研のいくつかのレポートを取り上げて紹介いたします。
今日は、「米国の景気後退リスク」について、「大和総研レポート 日本 2022 年 8 月 23 日」「日本経済のリスクシナリオ―米国景気後退入り/中国再ロックダウンの影響を検証-経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦 研究員 永井 寛之」の報告をご紹介します。
昨日は、米国の景気後退でしたが、今日は、中国のロックダウンです。
従来から、中国はゼロコロナ政策を実施してきました。特に、上海や深圳などの大都市がロックダウンした時は衝撃でした。その後、大きな報道はされていませんが、その政策は継続しており、中国経済に大きなマイナスの影響が出ていると推測されています。
「2022 年前半…、日本から中国への実質輸出(日本銀行)を確認すると、上海市でロックダ ウンが実施された 2022 年 4-5 月平均は同年 1-3 月平均に比べて▲13.3%と大幅に落ち込み、対 世界向け全体でも同▲3.9%となった。」…「また、同時期の鉱工業生産指数も同▲4.3%と低下している。」としています。
このために、日本では、「対中輸出の減少に加えて、製造過程で中国との相互依存関係が強い加工組立業種では、輸入の停止や物流網の混乱といった供給制約が生産を下押ししたと考えられる。」と分析しています。
上記の図は「中国でのロックダウンが需要面(輸出の減少)、供給面(輸入の減少) でそれぞれどの程度、日本国内の生産に影響を及ぼすかを、国際産業連関表を用いて試算した ものである。」
反対に輸入の減少では、「輸送機器においては供給制約による影響が他のセクターに比べて大きく、中国からの輸入の減少が特に生産面でのボトルネックになりやすいことが見て取れる。」としています。自動車生産は、すでに中国で生産された部品なしでは回らない状況となっていることを指摘しています。
このレポートでは、さらに踏み込んで、「中国で再ロックダウンが実施された際には、中国の景気減速に伴う需要面からの影響、すなわち対中輸出の減少に特に注意を払う必要があると考えられる。」としています。
昨今では、「不動産バブル崩壊」による中国の経済発展を支えてきた仕組みが維持できなくなりつつあります。中国の経済減速にかかる要因はコロナだけにとどまらないことも警戒をしなくてはならないのかもしれません。
さらにここでは、「中国経済の減速による需要減が世界経済全体に与える影響を、主要国・地域経済に関 して構築したマクロモデルを用いた試算から確認」しています。
「マクロモデルによる試算では、(生産の減少に伴う企業・家計所得の減 少が最終需要をさらに下押しする)所得減の効果が含まれており、中国経済減速の影響をより幅広く把握することができる。 」としたうえで、
「試算結果によると、2022 年 10-12 月期に中国で再ロックダウンが実施され、同時期の実質 GDP 成長率が前年比 0%まで落ち込んだ場合(ベースラインでは同+5.8%と想定)、2022 年の世界 経済成長率はベースラインから 0.9%pt 下振れするとの結果が得られた(図表 7)。」
「地域別の内 訳を見ると、先進国が▲0.4%pt、新興国が▲1.2%pt と新興国の落ち込みが大きいが、これは 前提とした中国の落ち込み(▲1.6%pt)が含まれていることの影響が大きい。」としています。
ウクライナ戦争の影で、欧米と日本、ロシアと中国という二つの勢力に分かれるような動きがあります。それは、日本にとっても、中国にとっても、あるいはロシアにとっても良い方選択だとは言えないと思います。ましてや、地政学的問題だけでなく、経済や文化、さらには宇宙さえも分断してしまう可能性さえあります。
戦争を止められない大国、戦争をしたい軍隊を諫め、正常な状態に戻していくために、どうするのか、日本の存在が問われているのかもしれません。