こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
さて、英国の現地時間19日にはエリザベス女王の「国葬」がマスコミで華々しく取り上げられました。来週は、安倍元首相の「国葬」が、執り行われます。
統一教会と安倍元首相の関係が明らかになることで、国民の政治不信が自民党へ向き、岸田総理への批判が高まることになるでしょう。参議院選で大勝し、これから安定した政権運営をしたいと思っていたのでしょうが、最初から壁に阻まれたように見えます。
今週取り上げるのは、経済財政諮問会議第11回の「①経済財政諮問会議における年後半の重点課題、②マクロ経済運営」です。今日は、「投資と雇用を動かす政策運営と労働移動を通じた賃金・所得の増加を」です。
コロナの後の欧米と日本の立ち位置は大きく違っています。私的には「文化的」な相違なのかと思うこともありましたが、ある意味で「政治家」の中長期の視点の違いのような気も致します。
財政諮問会議では、その生産性回復に焦点を当てた以下のようなグラフを作られています。ウクライナ侵攻の影響の中でも欧州の動きは目を見張るものがあります。
この資料を見ると、明らかに日本の「社会保障的な政策」の誤りを指摘しているように思えますし、
「投資と雇用を動かす政策運営を」の中では、「企業の投資意欲は高まっている」との認識を示し、「この機を活かし、秋にまとめる総合経済対策は、…官民連携の重点投資…含め、世界経済の減速懸念が強まる2023年に向けた早期の成長力強化に資するものとすべき」としています。
また、「我が国はコロナ禍からの生産性の回復に遅れ」があるとして、「緊急時…経済を守る政策から、経済を動かして生産性を高める政策に政策資源を重点化すべき」と政策転換を求めています。
既存の雇用を守るために企業に支出していた「雇用調整助成金の特例措置を縮減」、資金繰り支援も、「実質無利子・無担保融資といった緊急措置」を止めるよう提言しています。
アメリカとの大きな違いは、労働者の失業を容認したか否かでした。アメリカは、失業手当てを厚くして不安を抑えると同時に、次の雇用契約は、今まで以上の(インフレもあり)賃上げを要求する形で、賃金アップが実現されています。
「労働移動を通じた賃金・所得の増加を目指すべき」としながら、新たな対応はできていません。中小企業庁の対応も、「事業再構築」「伴走型支援」などをするのは、地域の中核企業への支援であって、小規模・零細企業向けではありません。ある意味で、変わろうとしない、変えることのできない企業は退場くださいという政策に転換するということです。
つまり、「人への投資」を大胆に支援することとし、「人材投資に積極的な企業」「消極的な企業」に差をつけて、「政府は賃上げ促進に向けた明確な意思表示をすべき」とも言っています。
組織された大企業からすでに離れたフリーの方々やパートやアルバイトの非正社員が、沢山います。時給や休暇、福利厚生など大きな差がある仕組みの中で、どこかで、賃金アップ、インフレ、企業成長、設備投資といった建設的な循環がスタートできるかが重要です。
同時に、企業側がどのような人材投資対する姿勢や実績があるのかの情報開示を進めることで、「企業間の競争インセンティブを与える施策を推進すべき」ともしています。 若い方々の企業選択に「人材投資」が重要になってくるのかもしれません。
ただ、これらの政策のあるべき姿は見えてきていますが、政府が、政治家が問われているのは、これらの政策を実現するのは、「何のためなのか」を丁寧に説明し、自分事として国民の一人一人が、理解してもらうことです。
この高齢化社会をどのように乗り越えるのか、世界に貢献する日本をどのように創ろうとしているかを共有する必要があるのです。「2%成長」は何のためなのでしょうか?若い国民が将来に希望をもって、仕事も子育てもできて、人生100年時代をどのように生きていくのかを示さなくてはなりません。60歳定年で、余生を楽しみ80歳前後で亡くなった昭和のモデルを捨てなくてはなりません。