こんにちは
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所 融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
色々と批判を浴びている岸田首相ですが、従来の中小企業への姿勢が明らかに変わりました。
今週は、その岸田首相の政権発足から1年を振り返るなかで、今日は、9月9日に民間の協会等へ首相、財務大臣、功労大臣、農水大臣、経産大臣の連名で「「中小企業活性化パッケージNEXT」を踏まえた事業者支援の徹底について」です。
「NEXT」は、大きくは「~経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の拡充と収益力改善・事業再生・再チャレンジの更なる加速~」という副題がついています。
一つには、明確に「ポストコロナに向けた段階的移行」をあげています。すなわち、従来のコロナ融資=ゼロゼロ融資は終わりだということです。伴走支援型特別保証では、金融機関の「伴走」を条件に「保証料」等の条件を引き下げる(0.85%⇒0.2%)また、コロナ特貸(スーパー低利・無担保融資)の期限を年度末まで延長などをするとのことです。
「コロナ資金繰り支援等の継続・拡充」では、セーフティネット保証4号や物価高騰対策セーフティネットの期限延長(9月末⇒12月末)金利引き下げ(▲0.4%)を上げています。この年度末を越えると本格的に「コロナ返済」「金利支払い」が始まります。
ゼロゼロだったから借りられた会社も、今後は借換え保証などで、今までと違った扱いを受けることにあります。金利払いや元本返済が始まりますが、市場環境は中小企業にとっては悪化し続けています。
そこで、これらの政策に協力するよう、以下のような内容の「事業者支援の徹底について」が、官民の金融機関に発出されています。(その1 残りは、明日)
- 事業者の業況を積極的に把握し、資金繰り相談に丁寧に対応するなど、事業者のニーズに応じて、事業者に最大限寄り添ったきめ細かな支援を引き続き徹底すること。
- 既往債務の条件変更や借換等について、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応の継続すること。
- 実質無利子融資及び新型コロナウイルス感染症に関する事案に係る危機対応業務による融資を実施する金融機関においては、当該融資が本年9月末に申込期限を迎えることを踏まえ、顧客への周知や、駆け込みの申込みに対応可能な態勢整備に万全を期すこと。
この通知では、「事業者からの返済期間・据置期間延長の事前の相談において、すでに元金返済を開始している事業者も含め、申込みを断念させるような対応を取らない」「返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案」「据置期間終了後の返済負担が重くなることをおそれて据置期間の延長を躊躇する事業者がいる場合には、返済期間の延長も併せて提案」などと踏み込んだ「お願い事項」が並んでいます。
しかし、ゼロゼロ融資の時は、売上が下がっていたら実質審査もせずにお金を出すように仕向けていた政府が、「条件変更や借換、新規融資を行う場合の債権の区分に関しては、貸出条件緩和債権の判定における実現可能性の高い抜本的な経営再建計画等の柔軟な取扱いを含め、引き続き金融機関の判断を尊重する」としたうえで、「事業者に寄り添った資金繰り支援に努める」と要請しています。
すなわち、いろいろ手を尽くしてもダメなら民間金融機関で判断してね、それまでは「事業者に寄り添ってね」とのお願いにすぎません。いろいろ条件を並べたのは、政治的な意図と、官僚側からは、「指導」をしていますとのポーズではないでしょうか?
コロナが「ウィズからアフター」に向かう中、海外ではインフレが進み、金利があげられ、結果的に景気が抑え込まれるとすると世界中で倒産の波を大きく受けることになります。ウクライナでの戦争による打撃は、ヨーロッパではすさまじいものになるのかもしれません。
日本も同様にエネルギー・食料の高騰と倒産の嵐に見舞われるのだと思います。コロナによって市場の求めるものも変わってきているのかもしれません。今のまま、回復を待ってもダメなのです。思い切った業態展開や一度市場から降りて、再起を期するのも一案です。
スクラップアンドビルの時代が日本でも始まるのかもしれません。日本に活力が戻ってくるかもしれません。次の時代を創る方々の応援と支援に携われればうれしいです。