明けましておめでとうございます。
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
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今週は、新年を迎え、いわゆるシンクタンクが、昨年末から今年の初めに、どのような分析をして、世界経済や日本経済の見通しを展望しているのかをお伝えします。
今日は、三菱総合研究所『新年の内外経済展望|2023年』、伊藤忠総研『2023年の世界経済見通し』、丸紅経済研究所『2023年の世界経済見通し』、みずほリサーチ&テクノロジーズ『2023年 新春経済見通し』で分析された「米国経済と欧州経済の見通し」を確認します。
三菱総合研究所『新年の内外経済展望|2023年』では、「不確実性の極めて高い世界情勢の中で、当社の予測は幅をもって捉える必要がある。変動要因として注目すべきは、①米欧のインフレ、②米国景気、③中国の政策運営——の3点である」と断じています。
さらに、「2023年の米欧経済は共に0%近傍の低成長にとどまる見込み」であるとともに「期待インフレ率(家計、企業などが予想する物価の変動率)の上昇が相まった物価上昇が生じている。米欧の中銀が目標とする2%までインフレを抑制することは容易ではない。」と分析しています。
また、「特に欧州は、2024年にかけてロシア産エネルギーへの依存度を下げる計画を進めており、世界的に需給逼迫が予想されるLNG(液化天然ガス)を高値で調達せざるをえない。エネルギー高がコストプッシュ型のインフレ圧力となる。」とも指摘しています。
伊藤忠総研『2023年の世界経済見通し』では、「米国のインフレ率(消費者物価上昇率)は、…全体で見れば6月の前年同月比+9.1%をピークに鈍化しており、ピークアウトが明確である」としながら。「金融政策の判断に使う「コア」では、まだピークアウトの兆しという程度の動きにとどまっており、インフレ圧力はいまだ根強い。」とも指摘しています。
欧州経済については、「ユーロ圏の消費者物価は、11月に「総合」でようやく鈍化に転じたが、コアでは11月も伸びを高めており、上昇基調が続いている。こうした物価動向を受けて、欧米ではインフレを抑え込むために今後も景気後退覚悟の利上げを続けざるを得ず、実際にFRB、ECBともその方針を明確にしている。そのため、金利の上昇が今後、景気をより一層悪化させることは確実である。」としています。つまり、良い見通しはないのです。
しかし、「基本的にはコントロール可能なものだと考えられる。」とし、「金融引き締めというブレーキを緩めハードランディングを回避するチャンスは」ある。「世界同時不況のような状況に陥る可能性は低いとみられる。」と分析しています。
とはいえ、「景気が本格的に悪化する2023年の世界経済は、2022年より一層不安定で先の見通し難い1年になるとみておくべきだろう。」と結論づけています。
他方、丸紅経済研究所『2023年の世界経済見通し』では、米国は、「広範な品目で根強いインフレ基調が持続も、ピークアウトは目前に。2%への収斂は遠い」としています。
ただし、「ニューヨーク連銀の消費者期待調査によると、1年先期待インフレ率、3年先期待インフレ率はいずれも縮小傾向に」あるとし、期待を示しています。
最後に、みずほリサーチ&テクノロジーズ『2023年 新春経済見通し』を紹介します。
成長率については、「2023年の成長率は前年比▲0.8%のマイナス成長を予想―金融引き締めの影響が経済全体に広がることで、景気後退に陥る見込み」としています。
また、インフレについては、「足元インフレに原則の兆候」があるとし、「財物価は2月頃にピークアウトの見込み…製造や輸入のコストは徐々に低下、住居費については新規家賃が減速に転じる。住居費以外のサービスについても、今後の雇用・賃金の減速とともに低下する見通し。ただし、足元の賃金指標は、2%インフレに整合的なレベルを上回って推移」と解説しています。
問題は、賃金上昇リスクが労働需給のひっ迫の中続くことで、インフレがコントロールできないのではないかという懸念が残ることのようです。FRBの判断は、年終盤で景気や雇用に配慮する形で利下げもあるとしています。
欧州経済の成長率は、2022年は+3.1%でしたが、「2023年は▲0.8%と2020年以来のマイナス成長に転落する見通しで、インフレによる消費の減少や前年のハイペースな利上げによる借り入れコスト増を受けた設備投資や住宅投資の落ち込みが経済を下押し」するとしています。
インフレは続き、賃金上昇も続いています。したがって、消費の低迷から、景気回復が遅れる可能性も指摘されています。したがって、金利も高止まりし、投資需要をも押し下げる懸念が出てきたと分析しています。
欧米は、ともに失業率が歴史的な低水準となっていることから、賃金の上昇はしばらく止まらず、「物価・賃金スパイラル」を警戒しているとのことです。
さて、日本は大丈夫なのでしょうか?!