明けましておめでとうございます。
認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、新年を迎え、いわゆるシンクタンクが、昨年末から今年の初めに、どのような分析をして、世界経済や日本経済の見通しを展望しているのかをお伝えします。
今日は、丸紅経済研究所『2023年の世界経済見通し』、みずほリサーチ&テクノロジーズ『2023年 新春経済見通し』、伊藤忠総研『2023年の世界経済見通し』、FOCUS『2023年東南アジア主要国経済の見通し』などを参考にして、中国経済と東南アジア経済の見通しを確認します。
丸紅経済研究所『2023年の世界経済見通し』では、中国の不動産市場のリスクを世界のリスク要因の2番目に挙げ警戒しています。「1990年代末に市場取引に移行して以来で最も困難な局面にある。」とし、「大幅な販売減が長期化、価格下落も続く」:と分析しています。
また、中国の経済指標は、2022年にゼロコロナ政策を受け、大きく目標地の未達となり、ここにきてゼロコロナ政策を全面撤廃したものの、先行きは楽観できない模様です。しかし、中国は、資源や食料の自給率が高いことから、物価高にはなってはいないとのことです。
したがって、金利を下げ、景気浮揚策に出る必要性があります。「景気を下支えするため、2021年央から断続的な金融緩和を実施」していますが、「さらなる金融緩和による景気刺激への期待もあるが、米欧の金融引き締め加速を背景に資本流出の懸念が根強く、緩和余地は限定的か。」と分析しています。
みずほリサーチ&テクノロジーズ『2023年 新春経済見通し』では、中国経済は、「実際の感染は急拡大、医療体制ひっ迫のおそれも」としています。「春節(旧正月、2023年は1月22日)休暇に向けて感染がピークを迎え、行動抑制が強まるものと予想」し、「今後は感染再拡大の波に合わせて医療体制がひっ迫し、経済活動も落ち込みと回復を繰り返すとみられる」と分析しています。
また、「2023年の景気は、コロナ規制の緩和と不動産市況の回復を受け、年後半にかけて緩やかに持ち直す見通し」年ながら「不動産投資は、当局による追加支援を受けて2023年央にも底入れ」するとも予想しています。「ただし、感染再拡大による行動抑制と欧米景気の悪化による輸出減速で、景気全般の回復は緩慢」とくぎを刺しています。
伊藤忠総研『2023年の世界経済見通し』では、中国経済は、「中国当局は2023年の経済政策運営について、安定成長を重視、前年比+5%前後の成長目標を掲げると予想」しているとしています。
「欧米景気の減速を背景に輸出停滞が見込まれるため、2022 年より財政拡張・金融緩和の程度を強め、内需主導の景気回復を目指す方針。」ですが、「医療体制やワクチン接種が不十分な状況下でのゼロコロナ対策が急速に緩和されたことから、2023 年 1~3月期は感染者数の急増が予想される。」としています。
そのために「感染を恐れて外出を控える動きや生産活動・サプライチェーンの混乱が続き、景気が冷え込む見込み。」とも分析しています。
消費の伸び悩みと共に「固定資産投資は、不動産投資の急回復を期待できず、設備投資も輸出減速を受けて力強さを欠く」…「2023 年の成長率は前年比+4.5%程度にとどまると予想」しているとのことです。
なお、FOCUS『2023年東南アジア主要国経済の見通し』では、タイ。フィリピン、ベトナム、インドネシアについて解説されています。
タイについては、「全国の新型コロナの警戒レベルが最も低い水準に」なり、外国人の入国規制が大幅に緩和」されるなど、景気回復の後押しをしたい意向であるとし、「景気は回復基調を維持」をしています。
次に、フィリピンですが、「2022年の実質GDP成長率は1~3月期に前年同期比8.2%、4~6月期同7.5%、7~9月期同7.6%と回復基調を維持した。」と報告し、「今後、通貨安やインフレが進むとともに、政策金利が引き上げられ、景気回復ペースは鈍化」…「実質GDP成長率は2022年通年で6%台半ばに、2023年には6%弱に鈍化すると予測する」としています。
ベトナムについては、「2022年の実質GDP成長率は1~3月期に前年同期比5.1%、4~6月期同7.8%、7~9月期同13.7%となった。」としています。「インフレの進行と世界的景気後退で回復ペースは鈍化する見込み。実質GDP成長率は2022年通年で7%台前半に、2023年には6%台後半になると予測する。」と分析しています。
最後にインドネシアですが、「2022年の実質GDP成長率は1~3月期に前年同期比5.0%、4~6月期同5.4%、7~9月期同5.7%と堅調な伸びとなった。」と報告しています。
「今後は、物価の上昇と現地通貨ルピア安への対応として金融引き締めを継続せざるをえず、景気回復の重石となる懸念が高まっているものの、回復基調は続く」と見込まれており、「実質GDP成長率は2022年通年で5%程度となるが、2023年には4%弱に鈍化すると予測する。」と結論付けています。
東南アジアの市場は、思っていたほどコロナの影響を受けておらず、順調な経済運営がされているものの、欧米の金利高によって、通貨危機が再燃しないとも限りません。そのために対応措置をとれば、景気悪化の可能性もあります。周辺の大国である、中国、日本が元気なることもその回復の条件なのかもしれません。