認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
先週の1月23日に衆参両院で、2023年の岸田総理施政方針演説が行われ、先週の国会は、その内容や各党の質問等で国会がスタートしました。
今週は、「施政方針演説」を知ることで、岸田総理がこの国のかじ取りをどのようにしようとしているのかを少し理解したいと思います。
本日は、「今年の施政方針演説の目玉政策は何か」、岸田総理が打ち出した政策のうち、重要な政策をご紹介いたします。
防衛と外交については、別な日に取り上げますので、メインに取り上げたいのは、「新しい資本主義」です。
岸田総理は、これにはいくつかの「経済モデル」があると言っています。
即ち、①市場に任せるだけでなく、官と民が連携し、国家間の競争に勝ち抜くための、経済モデル、重要物資や重要技術を守り、強靱なサプライチェーンを維持する経済モデル、様々な社会課題を乗り越えるための経済モデル」と三つの説明をしています。
これをもって「官民が連携し、社会課題を成長のエンジンへと転換し、社会課題の解決と経済成長を同時に実現する。持続可能で、包摂的な経済社会を創り上げていきます。」と説明しています。官も責任の一端を担って、世界中で起きている国家間競争を勝ち抜き、コロナ後の経済回復をしていく意向です。
この施政方針でも、「新しい資本主義」の前で「構造的な賃上げ」を取り上げていますが、今回は、「政府は、経済成長のための投資と改革に、全力を挙げます。公的セクターや、政府調達に参加する企業で働く方の賃金を引き上げます。」その順番を明らかにし、かつての岸田流「分配論」は鳴りを潜めています。
本論は、「投資と改革」です。
まず、GX、グリーントランスフォーメーションです。
「官民で、十年間、百五十兆円超の投資を引き出す…。国による二十兆円規模の先行投資の枠組みを新たに設け」、「省エネ、水素・アンモニアの社会実装、再エネ・原子力など脱炭素技術の研究開発」を支援するとしています。
つまり、「国が複数年の計画を示し、予算のコミット」し、「企業の投資を誘引していく、新しい資本主義が目指す官民連携の具体化」としています。
「エネルギーの安定供給に向けては」、「長年の懸案(北海道・本州間の送電線整備、廃炉となる原発の次世代革新炉への建て替え、原発の運転期間の一定期間の延長、最終処分事業)」を上げ、事業すぉすすめるとしています。
次に、DX、デジタルトランスフォーメーションです。
マイナンバーカードの取得件数が8,500万件を超えたことを報告しています。「本人確認が必要な、あらゆる公的・民間サービスを簡単・便利に利用できる社会を創るため、官民で取り組んでまいります。」とその進展に自信が出てきたように見受けられます。
第3は、イノベーションです。
「日米の企業が共同開発」の「アルツハイマー病の進行を抑える治療薬が、米国においてFDAの迅速承認」を例に挙げて、「中長期的かつ国家戦略的な視点をもって、半導体、量子、AI、次世代通信技術、さらには、バイオ、宇宙、海洋。戦略分野への研究開発投資を支援する」としました。加えて、「イノベーションを阻む規制の改革に取り組みます。」とも表明しています。
これを後押しするために、「理工系の学部再編」「若手研究者支援」「教職員の処遇見直しを通じた質の向上」「教育の国際化」「日本人学生の海外派遣の拡大」「有望な留学生の受け入れを進めます。」ともしています。
第4は、スタートアップの育成です。
「5年でスタートアップへの投資額十倍増を目指し」、「研究開発ベンチャーへの資金供給の強化」、…「グローバルスタートアップキャンパス構想の実現」、「大企業とスタートアップの協業によるオープンイノベーション支援」などに取り組むとしています。横文字の日本語が多く十分理解できませんが。
いままで起業のネックとなっていると問題視されてきた「経営者保証」に代わる「新たな信用保証制度を創設します」とのことです。また、「世界に伍する高度人材の新たな受け入れのための制度を創設」など、「外国人材が活躍できる環境整備」も行うとしています。これで、本当に日本に人が集まり、ここでいい仕事をしよう、この国で一生懸命働こうと思ってくれるのでしょうか?
なお、第5として「資産所得倍増プラン」があげられています。
「長年の懸案である「貯蓄から投資へ」の流れを実現できれば、家計の金融資産所得の拡大と、成長資金の供給拡大により、成長と資産所得の好循環を実現できる。」として、「NISAの抜本的拡充や、恒久化を実現し、五年間でNISAの総口座数と、買付額を倍増させる」としています。
「国家戦略として資産形成の支援に取り組み、長期的には、資産運用収入そのものの倍増も見据える」としています。
正直、おとなしく預金に積み上げられてきた国民の資金を活用するという意図はわかるのですが、日本の国債の裏付けとなる資産がアメリカに持っていかれてしまう怖さがあります。お金は動き出すと勝手にグローバル市場に飛び出していくものですから。