認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
経産省は、「キャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目指し、キャッシュレス決済の推進に取り組んで」います。
今週は、2022年9月から2023年3月までの半年間で「キャッシュレスの将来像に関する検討会」の「取りまとめ」を紹介します。
その目的は、「日本のキャッシュレス化の現状を確認するとともに、キャッシュレス化の社会的意義、足元の動向や今後想定される技術・ビジネス環境の変化等を見据えたキャッシュレスの将来像、目標とすべき新たな指標等について検討」です。 今日は、「キャッシュレスの定義とキャッシュレス推進の社会的意義」です。
ここにあるように、現金以外の「口座振込や自動引落」、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどの「カード・電子マネー」、あるいはスマホを利用した決済機能を察すようです(2018年での「定義」)。
「何をいまさら」の感がありますが、政府としては、今までの動きとは違うデジタル化の加速によって、キャッシュレスの動きが制度的にも技術的にも速まり、従来の検討の2018年のキャッシュレス推進の計画では間に合わなくなっており、見直しをしたというのが、今回の報告だと思われます。
最初に、世界各国のキャッシュレスの進行状況をグラフ化して、日本の取り組みの遅れを指摘しています。テレビのコマーシャルでもありますが、インバウンド需要に対応するためにもキャッシュレス化は世界の大きな動きの中にあります。(ドイツが日本と同様保守的なことが分かりました)なお、このグラフの示す日本のキャッシュレスの比率32.5%のうち、27.7%がクレジットカードです。
さて、なぜキャッシュレスが必要なのでしょうか。その社会的意義を確認しておきましょう。
その意義は、「既存の課題を解決する」ためと「新たな未来の創造」だとしています。
既存の課題とは、①消費者の利便性向上、②現金決済に係るインフラコストの削減、③業務効率化、人手不足対応、④公衆衛生上の安心の実現、⑤現金の保有や取引換金の減少による不正、犯罪抑止などをあげています。
一つ一つの課題を我がこととして考えると、確かに現金をあがめている必要があるのか気づかされる気も致します。また、テレビコマーシャルのように「現金」「紙幣やコイン」がない世界が近づいているのでしょう。
私の年齢ですと、「会社の給与は、今年度から銀行振り込みにした」と通知され、ささやかな「臨時賞与」を現金の入った袋でいただいたときのちょっとした興奮が忘れられません。確かに、子供は「お母さんがお金を持っている」と思っていた気がします。
新たな未来の創造では、①データ連携・デジタル化、②多様な消費スタイルを創造、③脱炭素社会への貢献を上げています。
確かに、多くのことが技術革新によってなされ、データが処理されるようになることで、これからの高齢化社会や人手不足などの課題が解決されることは望むところかもしれません。
しかし、残念ながら、これらのメリットと同時にデメリットの記載が少ないことと、新たな社会ななっていった際のリスクを個々人が、中小企業がどのように取り組み、自分のことを守ることができるのかは見えてきません。
手塚治虫の漫画のようにコンピュータのAIが支配する社会が来るのでは思ってしまいます。他方で、これからの社会が便利さを享受できる「階級」とそうでない「階級」に分断されてしまうことを恐れます。