認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
NRI(野村総合研究所)では、2005年から『ITロードマップ』を刊行していますが、今年は、沢山の新技術を紹介しているようです。
今週は、レポート ITロードマップ 2023年版 ~情報通信技術は5年後こう変わる!~で最初に紹介されている「メタバース」と「オルタナティブデータ」の内容を学びます。
私には少々荷が固いですが、「旬の技術」の勉強をして、これからやってくる社会を先取りして理解できるよう努力します。
今日は「オルタネティブデータ」です。その1として、オルタネティブデータの概要とその活用事例についてです。
まず、皆さんは「オルタネティブデータ」という言葉はご存じでしょうか?このレポートでは、以下のような図にて説明されています。
統計的に積み上げられた「トラディショナルデータ」に対して、「リアルタイム性の高いデータ」で、目の前の「実世界の情報」を「オルタネティブデータ」と称するようです。
一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会のHPによる定義は、「非定型VS定型」と「否金融VS金融」に分けた図を示しています。
また、に日本経済新聞では、以下のようなコーナーがあります。
「オルタナティブデータとは、機関投資家によって投資判断のために使われるデータのうち、伝統的に用いられてきた決算開示等、一般的な公開情報以外のデータ群の総称です。経済ニュースの記事、SNSの投稿、POSデータなど、従来投資判断に使うことが難しかったビッグデータが、海外の金融機関を中心に利用が広まっています。」
「… 近年の機械学習や自然言語処理の技術が普及により、ビッグデータを利用したモデリングがより容易になるとともに、金融業界内でアルゴリズム取引の導入が進んだことにより、アルファ生成のための新たな情報源としてオルタナティブデータの利用が始まりました。」と説明しています。
大体イメージできましたでしょうか?基盤には、金融や投資の分野でのデータとしてスタートしたものと理解すべきだと思います。今後、活用できるデータは沢山あり、それを活用する市場は倍々ゲームの様に増えているようです。
NRIのレポートでは、その活用事例として、以下のような事例をあげています。
- 人流データの分析結果を投資に活用
- IoT機器の稼働状況から、オフィス利用や従業員の出社動向を指標化
- スマート体温計からのヘルスケアビックデータ、公衆衛生にも利用
- 衛星画像を用いたサプライチェーン滞留の分析
最近、経済安全保障の議論が姦しいですが、多くの巨大なメーカーが自社の製品のメンテナンスや稼働状況を世界的に把握するシステムがあるようで、その稼働状況を入手することで、生産の進捗や物流の混雑、停滞などを即座に知ることができるようです。
そのデータを入手することにより、その実態を把握できると同時に、間違ったデータを受発信することで、混乱やそれに伴う障害を発生させることもできそうです。世界中が互いに敵視することで、経済的合理性から離れた「冷戦構造」が復活しつつあります。