認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
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今週は、2023年1~3月期四半期別GDP速報 (1次速報値)(2023.05.17)の内容を確認し、同時に各シンクタンクがどのように評価して速報値を解説しているかを見ていきます。
今日は、証券系の野村総合研究所と大和総研の評価を確認します。
まず、野村総合研究所です。タイトルは、「事前予想を上回った1-3月期国内GDP:年後半には海外経済・金融悪化で景気後退のリスク」としています。
また、小項目では、以下のようなコメントをしています。
「1-3月期GDPは予想を上回った」
前期比年率+1.6%は、事前予想の+0.8%を大きく上回ったとしています。同時に、「予想以上の内需の好調と予想以上の外需の不振の組み合わせが特徴的」とした上で、「実質個人消費の堅調」、マイナス予想の「実質設備投資」であり、さらに「予想外の悪化となったのは輸出…前期比 -4.2%」
「基調的な成長ペースが高まったとはいえず」
実質GDPの成長寄与度に「大きく貢献したのは実質在庫投資」であると指摘したうえで、「成長率のトレンドは、在庫投資を除いた民間最終需要で判断すべき」で、今期を見ると鈍化しており、「国内経済は安定しつつも比較的低位のペースで成長している姿は変わらない。」と評価しています。
「家計と企業の経済活動の乖離が広がる」
「政府の物価高対策、賃金上昇率の上振れ、インバウンド需要の拡大など」によって「個人消費など家計の経済活動は比較的堅調」と指摘しています。しかし、「個人消費堅調の恩恵を相対的には受けにくい製造業の経済活動には弱さがみられる」とし、その傾向は「主要国全体に共通で見られる特徴」としています。
「インバウンド需要回復は1-3月期の成長率を年率+1.2%押し上げた」
「2023年のインバウンド需要は5.9兆円とコロナ前の2019年の水準を上回る」とした上で、「同期の(名目・実質)GDP成長率を前期比年率+1.2%押し上げたと試算される」と分析しています。
「4-6月期の国内経済はなお安定維持」
次の4-6月期については、「個人消費の回復とインバウンド需要(GDP統計では輸出に計上される)の拡大」し、「他方で、大幅に減少してきた輸出は、中国経済の持ち直し」、現時点での予想としては、「4-6月期の実質GDP成長率は同+1.0%弱」ンあるとしています。
「堅調な個人消費を巡る環境も先行き良好とは言えない」
しかし、「インバウンド需要のGDP押し上げ効果」や「春闘での賃金上振れ」は長続きせず、「実質賃金上昇率(名目賃金上昇率―消費者物価上昇率)は、12か月連続で前年比マイナス」「…実質雇用者報酬は前期比-1.3%の大幅下落」となっており、この後には、政府の圃場が切れる電力料引きが下があり、「個人消費の逆風」にあると断じています。
「海外要因によって日本経済は今年後半に後退局面入りか」
「主要国・地域では製造業の弱さが目立っている(図表1)」として以下のグラフを提示しています。
“2023年1~3月期四半期別GDP速報 (1次速報値)(2023.05.17)と各シンクタンクの評価を読み解く 野村総合研究所の評価” の続きを読む