認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、この20年間、経済が停滞してきた結果、アジアの周辺国から追い上げられている原因は、以下のようなマイナスのループによるものではないかとして分析している。
ハイテク製品の輸出低迷 ⇦ 科学技術の研究・開発力後退 ⇦ 高度専門人材の育成不足 ⇦ 大学院での博士課程の人材減少 ⇦ 科学技術系の大学生不足 ⇦ 日本独特の雇用環境や高度専門人材軽視の民間企業等々
今日は、「ハイテク立国 日本の再生のために」を具体的にみていきます。(日本独特の雇用環境や高度専門人材軽視の民間企業等々)
「日本が高付加価値製品の輸出国として再生するためには、何をなすべきであろうか。」とした上で、経済学の基本から「わが国が今特に求められるのは、このうち労働力の質の改善と技術進歩」としています。
「両者に共通して必要なのは、高度な専門性、そしてそれを養う装置としての大学院教育の拡充」とし、「以下の取り組みが重要であると考える。
「第一に、科学技術分野を中心に、国立大学の学部入学定員を増やすこと。…学部生の絶対数の増大…高等教育分野における私学への極端な依存…歪な構造…、是正」を求めるとしています。
「第二に、科学技術分野に占める女子学生比率向上を政策的に推進すること。STEM系学部における日本の女子学生比率は、2019年時点でOECD加盟国中最低の17%…加盟国平均の32%…わが国では、女性が理工系学部に進学するための伸び余地はきわめて大きい。」とも指摘しています。
「なお、いわゆる「理工系女子」の拡大については、…政府としても、具体的な数値目標を設定のうえ実効性の伴った政策を推進すべきである」ともしています。
「第三に、公財政支出を通じ、科学技術系分野の専攻者を主な対象として、大学院の学費の一部あるいは全額を免除することなどを通じ、大学院へのアクセスを経済的により容易なものにすること。」「…家計負担の重さが、大学院進学率を低いものにとどめ、修士・博士号取得者数を顕著に少ないものにし、結果的に高度専門人材の供給を細いものにしている」と指摘しています。
子供の教育の無償化を高校までなどではなく、大学院までにして、優秀な人材を育てることが国の将来を豊かにする土台になると主張されています。
「本稿でみた、研究・開発力における日本の低迷、さらにはハイテク輸出の没落に鑑みると、ツケはすでにまわってきいている可能性が高い。」
「こうした現状が続けば、日本はアジアのなかにおいてさえ「中進国」に陥りなりかねない。」と断じています。「その挽回、先進国としての地位の維持に必要なのは、そうした自己認識の下、大学院教育の拡充を通じ、特に科学技術分野において高度な専門性をもった人材の供給拡大を図ることである。」と厳しい分析をしています。
今まで見てきたように、その実態は明らかなのですが、現在、地政学的なリスクから、中国に、韓国に、台湾に頼ってきた先進技術の工場等は、特にその重要な部分は、欧米と日本のエリア内に作られる方向になってきています。したがって、優秀な人材をその需要に応え、国内産業を再興する千歳一隅のチャンスです。
とにかく急ぎましょう。そして、確実に今の停滞した30年から抜け出ましょう。日本の成長と成功の新しい時代を創ってほしいものです。私達にはできるのです。戦争のマイナスをプラスに変え、第一次世界大戦後の大正時代の様に、活き活きした耳朶が始まるのかもしれません。