認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、この6月7日の第8回経済財政諮問会議でほぼ大枠が決まった2023年度「本部と方針」の概要を理解するために、ザッと目を通してみたいと思います。
今日は、第2章の「新しい資本主義の加速」を具体的にみていきます。
この第2章は、政策展開の章ですので、これもあれもとてんこ盛り状態です。したがって、この数ページで紹介するなどは不可能で、目的である「何が書かれているのか」を理解するとしたら、節の構成と、その下にカッコでくくった項目がありますので、つなげる形で紹介します。
- 三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と「人への投資」の強化、分厚い中間層の形成
第1節では、「経済成長の土台の上に、構造的な人手不足への対応を図りながら、人への投資を強化し、労働市場改革を進めることにより、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する」とし、「あわせて、…家計所得の増大を図るとともに、…企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げにつながる社会を創る。」とその方針を出しています。
(三位一体の労働市場改革)とは、労働者と企業と官が一緒になって取組み、(家計所得の増大と分厚い中間層の形成)するために賃上げができる環境を作り、また金融資産を加味した「資産租特倍増プラン」実行するとしています。
また、(多様な働き方の推進)することで、人材不足の対応を色々な角度で補完する知恵を出していくとしています。
2.投資の拡大と経済社会改革の実行
(1)官民連携による国内投資拡大とサプライチェーンの強靱化
ここでは、喃語も繰り返して書かれている「新しい資本主義の下、従来「コスト」と認識されてきた賃上げと設備投資を「未来への 投資」と再認識し、人への投資や国内投資の促進を展開し」、官が重点分野に対するビジョンを提示し、「呼び水となる投資」を実施するとしています。また、それが国内へ「イノベーション」を起こすような「対内直接投資残高を2030年に100兆円とする目標」としてかかげるとしています。
(2)グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の加速
(グリーントランスフォーメーション(GX))
ここでは、今、毎日のようにマスコミが報道しているカーボンニュートラル、産業の非化石エネルギー転換、再生可能エネルギー、原子力の活用、水素燃料の商用化、GXファイナンスなど、あれもこれもやるのだと書かれています。
(デジタルトランスフォーメーション(DX)、AIへの対応)
ここでは、デジタル化に対応する地方自治体や民間の連携、デジタル社会を構築するためのデジタル庁の位置づけなどに触れています。最後の数行に、CBDC(Central Bank Digital Currency(中央銀行デジタル通貨)の略)のことや、AIのことがさらりと書かれています。
(3)スタートアップの推進と新たな産業構造への転換、インパクト投資の促進
(スタートアップの推進と新たな産業構造への転換)は、スタートアップ企業には、資金、人材、参入の円滑化を図るとしています。そのためには、東京に海外の大学を誘致したり、海外企業化や投資家を誘致したりするだけでなく、「事業成長担保権の創設」など、経営者と将来の会社を担保とする仕組みにまで踏み込んでいます。
(インパクト投資の促進)については、「インパクト投資の促進等を通じ社会的起業家(インパクトスタートアップ)への支援を 強化し、社会的起業家のエコシステムの整備を図る
(4)官民連携を通じた科学技術・イノベーションの推進
ここでは、「科学技術・イノベーションへの投資を通じ、社会課題を経済成長のエンジンへと転換し、 持続的な成長を実現する。」と最初にその目的に触れ、日本が再興されるとしています。
新たな技術分野に投資をすることで「科学技術立国を再興」するとしています。そのためにやるべきことの施策は山のようにあるようです。基本は人材育成であり、日本の学生だけでなく、世界の若者が集まってくる留学生が日本に来たくなるような環境整備が必要であるとしました。
(5)インバウンド戦略の展開
(持続可能な形での観光立国の復活)をし、(高度人材等の受入れ)をどんどんでして、さらには、まるで移民が始まるような(技能実習制度及び特定技能制度の在り方の検討)が始まります。
また、(国際金融センター等の実現)によって、投資家も日本に集まる仕組みを作りアジアにおけるGX金融ハブを形成するとしています。
以下の項目は明日に掲載します。
“いわゆる骨太方針2023=「経済財政運営と改革の基本方針 2023(原案)」の概略を理解する 新しい資本主義の加速 その1 賃上げの実現と「人への投資」” の続きを読む