認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、この6月7日の第8回経済財政諮問会議でほぼ大枠が決まった2023年度「本部と方針」の概要を理解するために、ザッと目を通してみたいと思います。
今日は、第2章の「新しい資本主義の加速」その3 包摂社会の実現です。
4.包摂社会の実現
ここでは、①女性活躍、②共生・共助の社会づくり、③就職氷河期世代支援、④孤独・孤立対策について書かれています。ちょっと引いてこの内容を見ると、男性社会で、強者の施しの様に見えるのですが、違うでしょうか。
まず、(女性活躍)です。
「女性版骨太の方針2023」に基づき、…プライム市場上場企業を対象とした女性役員に係る数値目標の設定」で、「女性登用の加速化、女性起業家の育成・支援等を進める」としています。
また、女性に活躍してもらえるよう「多様な正社員の普及促進や長時間労働慣行の是正、…多様で柔軟な働き方の推進」、「仕事と家庭の両立に向けた男性の育 児休業取得の促進やベビーシッター・家事支援サービス利用の普及」、「男女間賃金格差の更 なる開示の検討」を進めるとしています。
さらに一歩踏み込んで、「社会保障制度・税制等の検討」、「非正規雇用労働者の正規化や処遇改善」についても触れています。ここは大切で、国会でも論議されているのでしょうが、働きやすい環境を整えなくては、市場に参入してくれないのだと思います。
「女性の所得向上・経済的自立に向けた 取組を強化」するとした上で、「IT分野を始め理工系分野の学生・教員等に占める女性の割合向上、大学の上位職への女性研究者登用を促進」など新たな活躍の分野を広げようとしています。
最後に「DV対策、性犯罪・性暴力対策、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の円滑な施行」などを、女性に対する男性側の姿勢をしっかりを変革する必要があるようです。
次に、(共生・共助社会づくり)です。
「人と人、人と社会がつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な共生社会づくりを推進する。」
ここで初めて「包摂」という言葉が出てきています。この社会のイメージは、弱いものを社会全体で支援をして、ともに生きていくことを目指しているのかもしれません。
生活困窮者、生活保護受給者に対する住まい支援の強化、入居後の総合的な生活支援など必要な制度的対応等を検討するとしています。
さら に、認知症の人や家族に対する支援、障害者の地域生活の支援や生涯学習の推進、就労支援、また、「成年後見制度を含めた総合的な権利擁護」、など、高齢者に対する新たな対応が求められています。
LBGTなど「性的マイノリティに関する正しい理解 や社会全体が多様性を受け入れる環境づくりの促進等を図る」としていますが、議員立法は中身が後退しています
また、「外国人との共生社会 の実現に向け、日本語教育の推進や外国人児童生徒等の就学促進等に取り組む」。さらに、「難民に準じて庇護すべき者に対して適切な支援を実施する」としました。
また、(就職氷河期世代支援)も取り上げています。
今年度から2年間の「第二ステージ」において、相談、教育訓練から就職、定着までの切れ目のない支援を行うだけでなく、公務員での採用を推進、独立行政法人等での採用の促進に取り組むとしました。
最後は、(孤独・孤立対策)です。
孤独・孤立対策推進法101に基づき、国・地方の孤独・孤立対策を強化する。
「国・地方における官民の連携・協働及び一元的な相談支援体制の本格実施に向けた環境整備を促進」し、「支援を求める声を上げやすく声を掛けやすい環境づくりを進める」としています。
孤また、「独・孤立対策に関するNPO等の諸活動について、複数年契約の普及促進等による継続的な支援及び支援者支援など新たな支援策の具体化に取り組む。」などと従来の単年度の発想を排しています。
孤立・孤独の先には自殺なども見え隠れします。また、最近の凶悪犯罪にも何か社会の外にいる「孤立・孤独」が大いに関係があるのかもしれません。