認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今週は、この6月16日に「経済財政運営と改革の基本方針2023」が閣議決定しました。副題は「加速する新しい資本主義 ~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~」、先週までは、(原案)で内容を見てきましたが、今週は、決定方針を見ていきます。副題が少し変わりました。
今日は、第2章の「新しい資本主義の加速」その4 地域・中小企業の活性化2」です。
この節は、しっかりと内容を確認して、今後の施策にどのように反映されるのか見ていきたいと思っています。
(個性をいかした地域づくりと関係人口の拡大)という項目では、沖縄と北海道をとりあげています。
この二つの地域は、日本を「本土」と呼ぶ地域で、他の地域とは違い、国は「北海道開発庁や沖縄振興局」で支援している地域です。
具体的には、「個性をいかした地域づくりに向けて、沖縄振興・北海道開発と、過疎地域や奄美、小笠原、半島、離島、豪雪地帯等の条件不利地域対策に取り組む。」としています。
正直なところ、日本中に過疎地域があり、離島があり、豪雪地帯があるのですが、何が違うのでしょうか?北海道は、明治になるまで、アイヌ民族がいた蝦夷地であり、その後、日本中から「開拓民」が移民してきたエリアですし、沖縄は、そのかなりの面積が米軍の基地に占領されたままの地域です。それが理由なのでしょうか。
「沖縄が「強い沖縄経済」を実現し、日本の経済成長の牽引役となるよう、観光等の各種産業や北部・離島地域の振興、沖縄健康医療拠点の整備を始めとした基地跡地の利用、こどもの貧困対策、クリーンエネルギー導入、スタートアップ支援、人材育成等の沖縄振興策を国家戦略として総合的・積極的に推進する。」としています。
次に北海道ですが、「新たな「北海道総合開発計画」を年度内に策定し、我が国のエネルギー供給基地も担うゼロカーボン北海道の実現、食と観光を担う生産空間の維持・発展、デジタル産業の集積促進、北方領土隣接地域の振興等、北海道開発を推進する。」としています。また。「ウポポイを拠点に文化振興等に取り組み、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現する。」ともしています。
北海道、沖縄以外は、「移住」です。「人の流れを創出するため、若者の地方移住への支援を強化するとともに、地域と企業の連携を促進しつつ、地方拠点強化税制を活用し企業の地方移転を促す。」ともしています。
次に(物流の革新)です。
いわゆる「2024年問題」の中で、「物流の革新」を求めています。
「「物流2024年問題」の解決等に向け、持続可能な物流を実現すべく、「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、道路・港湾・貨物鉄道・倉庫等の物流拠点・ネットワークの災害対応能力を含む機能強化」をするとしています。
具体的は、「モーダルシフトなど物流GX、物流DX・標準化等による「物流の効率化」」であり、従来の荷主が一方的に要求する商慣習に対して、「荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減に向けた規制的措置の導入」を勧めています。
したがって、末端の消費者も、運送会社も、販売会社も今までの商慣習を見直してもよいのではないか、人がいないのですから。
かつて、アメリカでクリスマスの配達が滞り、配達員がたくさんの郵便物を捨てたり、物流倉庫にあった商品を捨てたような報道がありました。
アマゾンがいうように、当たり前に今日注文すれば、明日届くといったルールが本当に消費者の満足を呼んでいるのか、考え直す時かもしれません。
2024年問題は、一人運動業界だけではなく、建設業も、医療機関も直面している状況を考えると、新たな若い人材が集まらなくなってしまう可能性もあります。「物流の革新」にだけフォーカスされた理由がわかりません。