認定支援機関 行政書士たいぞう事務所の小堀大藏です。
あなたの事業が成功するために何か役に立つ情報をできるだけわかりやすくお伝えしようと考え、このブログを書いています。
今日は、2023/09/25の記者会見で、岸田首相が表明した経済政策について、その大枠を理解しておきたいと思い、取り上げます。原文は、首相官邸や自民党のHPに掲載されています。
さて、「今回の経済対策」には、「2つ大きな目的」あるとしています。
第1の目的は、「物価高に苦しむ国民に対して、成長の成果について適切に還元を行う」です。「今こそ、この成長の成果である税収増等を国民に適切に還元するべく、経済対策を実施したい」としています。
第2の目的は、「日本経済が、長年続いてきたコストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換を図る」です。すなわち、「人への投資、賃金、さらには未来への投資である設備投資や研究開発投資まで、コストカットの対象として削ってきたことで、消費と投資の停滞を招いた」と分析した上で、「新たなステージに移れるチャンスを、今、迎えています。このチャンスを逃すわけにはいきません」としています。
その政策は、「岸田政権では今後、3年間を変革期間」として、集中的に取り組んでいくとしています。
- 三位一体の労働市場改革
- 持続的賃上げを伴う消費の活発化
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)、またGX(グリーン・トランスフォーメーション)など、未来への投資促進
- スタートアップ育成を始めとする、企業の新陳代謝による経済の供給力の強化・高度化
その上で、「その際に大切なのは、スタートダッシュ」として、「各種の給付措置に加え、税制や社会保障負担の軽減などあらゆる手法を動員する」し、「熱量あふれる新たな経済ステージへ移行する」としています。
色々な優遇策やバラマキになりそうな(選挙対策か)な経済対策を実行されるのはいかがかと感じました。
次に、「5つの柱」をあげて、「これを重視」すると表明しています。以下の通りです。
- 足元の急激な物価高から、国民生活を守るための対策
- 地方、中堅・中小企業を含めた持続的な賃上げ、所得向上と地方の成長の実現
- 成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進
- 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動と推進
- 国土強靱(きょうじん)化、防災・減災など、国民の安心・安全の確保、
この「5つを柱」のうち、④と⑤は、改めて新たな経済対策として表明する内容ではなく、すでに勧めている内容ではなかったでしょうか?その政策に「速やかに補正予算の編成」とは、財政規律を無視しているように見えますが、いかがでしょうか。
追加して、「対策の取りまとめを待つことなく、既にガソリン補助金等を開始している」ことと「年収の壁支援強化パッケージについても、週内に決定…し、来月から実施してまいります。」と表明されています。
「この経済対策の重要な部分となる成長力の強化」については、以下のような施策を検討されているようです。
- 賃上げ税制の減税制度の強化
- 戦略分野の国内投資促進
- 特許などの所得に対する減税制度の創設
- ストックオプションの減税措置の充実の検討
本当に、賃上げが継続して実行され、企業が設備投資や人材投資を続けるならば、新しい展開が起きるかもしれません。「成長力強化」のために、「持続的賃上げや国内投資促進」が不可欠であることは理解できます。
来月20日からの臨時国会の開催が決まったようです。ここで補正予算案も上程するとのことですので、しっかりと議論をして欲しいと思います。目先の選挙のためのお手盛り予算は、国ためにはなりません。
老人のこと、こども・子育て支援など国内対策には、根本的な環境を理解し、改善が必要です。しかし、「スピード感ある実行を行っていくため、できるところから取組を実施してまいりたい」と表明されていますが、その具体化によって成果を出すためには、時間とお金と人材が必要です。政府も、官僚の皆様も、そして野党の皆様も、戦争のない社会を維持しながら、国と地球を守ってほしいものです。頑張ってください。