こんにちは、
融資コンサルタントの小堀大藏です。
あなたの事業が成功するよう祈って、このブログを書いています。
コロナウイルスによる対応が一段落して、次の第二波、第三波に備えるとともに、経済の再興をするために、いろいろな規制が少しずつ解除され動き出しつつあります。
今月は、少し引いて、厳しい経済環境になった中で、中小企業が、小規模事業者が生き残っていけるのか、金融の歴史に学びながら振り返ってみたいと思います。
今日のテーマは、「コロナ以前の融資と金融機関の基本方針 金融行政の大改革」です。
昨日は、バブル崩壊から10年、リーマンショック。「失われた10年」がありました。さらに、「リーマン・ショック」から10年、今度はリーマン・ショックを以上の影響を残すことになるだろう「コロナショック」です。
日本の金融機関は、大きく傷つきながら、地域金融機関は、利益を出せない体質にななってしまいました。フィンテックの大きな流れに対応が遅れたことから、今一度、地域社会の経済を支えるキープレーヤーとしての位置づけを再確認して、生き残る準備をして努力していたところです。
金融庁も、いつまでも金融円滑化法ではダメだと言い、金融検査マニュアルでは、硬直した数字だけの評価で、地域金融機関が、本来の与信審査ができなくなっている状況を変えなくては、地域社会の次のプレーヤである起業者の支援もできないことに危機感を持っていました。
同時に、中小企業の廃業休業が毎年4万社を超え、急速に中小企業、小規模事業者が減ってきて、融資先が減っていきます。同時に、地域を支えてきたこれらの企業にあった雇用も徐々に失われていることから、金融庁も、経済産業省も、事業承継をあるいはM&Aを声高に推奨し始めたところです。
そのためには、今までの融資への姿勢や企業分類、実績のない起業者は政府系の金融機関に任せるといったリスクを常に回避する体質では、到底、地域密着型の金融への取り組みは進んでいかないとの評価で、2011年監督指針を改定をして「地域密着型金融をビジネスモデルとして確立する」としました。
更に、2013年、金融モニタリング基本方針で。事業性評価にかかるモニタリングを開始し、2015年の金融行政方針では、担保や保証依存から事業性評価に基づく融資へ転換することを打ち出しました。
2016年の「平成28事務年度 金融行政方針」では、「日本型金融排除」と称して、今までの金融検査マニュアルが進めてきた「十分な担保、保証がある先」「高い信用力がある先」以外に金融機関が取り組んでいないために、企業価値を評価できず、その向上を実現できていないが生じていると看破している。
確かに、金融機関から見ると、「優秀な会社」は少なく融資先がない。その少ない企業に向けての金利競争で利益が出ない。反対に、企業側から見ると、「銀行は担保・保証がなければ貸してくれない」というギャップが生じており、この認識の違いを、金融機関側から近づいて、改善し、企業評価を決算書の過去の数字だけでなく、企業のビジネスモデルや経営者の評価、今後の事業計画書などを通して評価することを勧めている。
この事業性評価に対する徹底はなかなかできてこなかったが、やっと、金融検査マニュアルが廃止されることになり、さあ、これから新たな金融のあり方が競われる時代が来る。金融機関同士が、地域の企業を育て、共に発展してく姿が期待されていました。
さあ、コロナの時代、金融円滑化法に戻るのでしょうか?金融機関の職員の悲鳴が聞こえそうです。